キャロルHCのために「何でもやる」とシーホークスSアダムス
2021年02月01日(月) 10:24ダイナミックなセーフティ(S)であるジャマール・アダムスの4年目は成功だったと多くの人が評するだろう。しかし、アダムスくらいの力量がある選手の多くがそうであるように、本人はまだほんの始まりに過ぎないと考えている。
シアトル・シーホークスでの初めてのシーズンを送ったアダムスは、ディフェンシブバック(DB)による単一シーズンのサック記録を築き、オールプロのセカンドチームに指名されたほか、3年連続でのプロボウル選出を果たしている。新しいチームでのデビューイヤーとしてはなかなかの成果だ。特に、その選手がしばしばその週の故障報告に登場したことを考えればなおさらそう言えるだろう。
先日に『The Bill Simmons Podcast(ビル・シモンズ・ポッドキャスト)』に出演したアダムスは、2020年に抱えてきた負傷を具体的に振り返った。グレード2の鼠径(そけい)部損傷、指の骨折が2か所、肩鎖関節捻挫、そして、レギュラーシーズン最終戦に起きた関節唇断裂についてアダムスは明かしている。
『The Seattle Times(シアトル・タイムズ)』によれば、アダムスはシーズン末の負傷について「打ちひしがれた。プレーオフでは自分らしいパフォーマンスができないと分かったから。俺はそのためにここに連れられてきたのに。だから、痛かった。本当につらかった」と語ったという。
NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)の有力候補としてプレーオフに向かったシーホークスだが、ワイルドカードでロサンゼルス・ラムズに敗れてシーズンは終了している。アダムスはタックル4回、パスディフェンス3回をマークした一方、試合序盤にラムズのワイドレシーバー(WR)クーパー・カップによって44ヤードのキャッチを決められていた。
12試合の出場に限られたシーズンを終えたアダムスは2021年を「俺のベストシーズンにする」と話しており、シーホークスのジェネラルマネジャーであるジョン・シュナイダーにはうれしい一言だったに違いない。アダムスはルーキー契約があと1年残っており、今後も戦力をそろえて競争力を保つことを目指すシーホークスがこのオフシーズンに契約を延長する可能性は高い。
アダムスがニューヨーク・ジェッツに加入する前は多くのことが言われていたものの、若く情熱的なSはインパクトをもたらす選手であることを証明した。昨年のオフシーズンに、シーホークスの練習施設の前で新たに組むことになったヘッドコーチ(HC)と会話を持っていた姿は、すでに自信に満ちたアダムスに十分なモチベーションもあったことを表していたのかもしれない。チームの公式サイトにて、アダムスはシーホークスに来たときのことをこう振り返っている。
「俺は忘れないだろう。最初にそこに行ったときに(ピート・キャロルHCが)俺をそこへ連れていき、“君は何を証明したい? このトレードから何を望んでいる? 何に向けて備えている?”と聞いてきた。俺は彼にこう言ったのだけ覚えている。“俺は一番すごい選手になりたい。すべてを手にして、スーパーボウルで勝ちたい”」
「だけど、彼は俺をこんなふうに止めたんだ。“いや、何も特別なことをやる必要はない。ただ、自分であれ。何も変えなくていい。私は君にここに来て、ジャマール・アダムスであってほしい。最高級のジャマール・アダムスでね。フィールドでもその外でも、君が将来に何を望もうが、自分の能力のベストのところでそれをやり、ただ真のプロであればいい”って」
「彼が俺と座ってそう話したとき、目からうろこって感じで、重荷が背中からすっと消えた。いつも”俺が背負うぞ、俺が背負う。俺は強い、強い”って言い聞かせている感じだったからな。そうじゃなかったんだ。彼が俺にああ言ったとき、俺はその日のつながりから、これが特別なものになっていくのが分かった。今だって、それが俺のコーチさ。俺は彼のために何だってやる」
今季のプロボウルはバーチャルな形で開催されているため、シーホークスを代表してその舞台に立つことはできなかったアダムス。だが、将来は何年もそうしていきたいという考えがあるようだ。
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