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第55回スーパーボウルのチケット贈呈で医療従事者を驚かせたNFL

2021年02月02日(火) 18:00


レイモンド・ジェームス・スタジアム【AP Photo/Chris O'Meara】

現地1日(月)の朝、『Aya Healthcare(アヤ・ヘルスケア)』の看護師として全米各地で勤務するR.J.ガードナー氏は『Good Morning Football(グッドモーニング・フットボール)』のスタッフから素敵なサプライズをもらう。第55回スーパーボウルの限定チケットだ。

ガードナー氏は月曜日に「とても驚いています。びっくりしました」とグッドモーニング・フットボールでコメントしている。「人を助けるというこの仕事は私にとって天職です。毎日でも働きたいけど、妻が帰って来てくれと言うので。今は言葉がありません。みなさん、ありがとうございます」

タンパのレイモンド・ジェームス・スタジアムで開催される第55回スーパーボウルには、ワクチンを接種した医療従事者7,500名が招待され、ガードナー氏もその1人だ。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが始まった当初、アヤ・ヘルスケアは感染の中心となっていたニューヨークとニュージャージーに向かう看護師を3,000人要請。ガードナー氏は最も必要とされているところに行きたいと思い志願する。ガードナー氏はニュージャージーで5カ月にわたりCOVID-19の対策チームを指揮し、13時間勤務を数カ月もの間続け、長い時には27日間連続で働くという過酷な状況に置かれた。

「最初の5カ月はまるで戦場のようでした」とガードナー氏は振り返る。「患者の比率は普段の倍で、重症な方ばかりでした。薬や物資が足りなくなってすべてが間に合わせの対応。とにかく患者さんの命を救うのに必死でした」

ガードナー氏の勇気と覚悟は看護師になる前から彼の中に備わっていた。ニューオーリンズ郊外で生まれたガードナー氏は英雄の一家を持ち、叔母と祖父の後を継いでアメリカの海上保安庁に入隊した。2005年にハリケーン・カトリーナがメキシコ湾岸を襲った際に彼は捜索救助隊の一員として活躍。チームとともにその勇敢さを称えるメダルを授与されている。その後ガードナー氏は交通事故で背中を骨折し、何週間も集中治療室(ICU)で入院することになる。この経験とハリケーン・カトリーナの救助活動で得た経験が看護師になるきっかけとなった。

現在ガードナー氏はアトランタ郊外にあるタナー医療センターのICUに勤務している。現地からグッドモーニング・フットボールに出演し、同僚の看護師に囲まれながら第55回スーパーボウルのチケットとNFLからの感謝の言葉を受け取った。今も世界規模のCOVID-19パンデミックと闘っている多くの人がそうであるように、ガードナー氏はその慈悲深さを示している。

「これまでも生きがいを感じながら日々過ごしてきました。でも重症患者を目の当たりにし、いかに好きな仕事に恵まれているかを思うと、家で過ごす時間がより貴重なものとなりました。ここで一緒に働いているチームは家族のような絆で結ばれています。息子のジャージーが生まれたばかりの頃は一緒にいることができたけど、今は1歳半になって走り回って遊んでいます。休憩中にフェイスタイムで話すこともありますが、家族と離れているのは辛いですね。それでも他の家族の助けになれているということで報われます」

【R】