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QBスミスの決断を待ちつつ「すべての選択肢を検討」するワシントン

2021年02月04日(木) 16:33

ロン・リベラ【AP Photo/Chris Szagola】

2020年に信じられないような復帰を遂げたクオーターバック(QB)アレックス・スミスは今季のカムバック選手賞の当確と言っていいだろう。ベテランのスミスはワシントン・フットボール・チームがポストシーズンに進出するのを助け、先発として5勝1敗を記録した。

ふくらはぎの負傷によってポストシーズンの試合を逃した36歳のスミスは、キャリアを続けるかは少し時間を取ってから考えるとシーズン終了後に述べている。

同様に、ワシントンの首脳陣もQBポジションについてはいずれかの形で解決しなければならない。『Washington Post(ワシントン・ポスト)』によれば、ヘッドコーチ(HC)ロン・リベラはスミスが2021年のロースターにいると見込んでいるかを現地3日(水)に問われ、次のように応じたという。

「われわれのプロセスを完了する必要がある。腰を落ち着けて話し合い、議論しなければならない」

2020年を通してリベラHCがスミスのカムバックをいかに称賛してきたかを振り返れば、熱のこもらない返答のように感じられる。

その差を生じさせている一つの要素としては、スミス自身による未来の決断がまだ下されていない点がある。スミスとチームの間には契約があるものの、そこに踏ん切りをつけることでワシントンはサラリーキャップに大きなスペースを空けることができるのだ。

チームがシーズンをいかに終えたかを振り返り、ベテランを加えることが最も意味をなすと指摘するリベラHCだが、一方で“すべての選択肢を検討”しつつ、未来を抵当には入れないと繰り返し述べている。

“未来を抵当に入れる”一例としては、ロサンゼルス・ラムズに2つの1巡目指名権を送って、QBマシュー・スタッフォードを獲得するという道があった。ワシントンもスタッフォードに関心を持っているチームの一つだと報じられていたものの、リベラHCとジェネラルマネジャー(GM)のマーティン・メイヒューは関心のレベルがどれくらいのものだったかについてはコメントしていない。

フランチャイズQBを獲得しつつ未来を抵当に入れないというラインが存在するのか質問されたメイヒューGMは「そういったラインがあるのか、私には分からない。スマートでありたいものだが、そのプロセスでアグレッシブに行きたい部分もある。それがいつであれ、われわれはふさわしい選手を獲得するつもりだ」と述べた。

フリーエージェント(FA)の可能性を見れば、リベラHCとのつながりからキャム・ニュートンの名が挙げられる。昨年のFA期間に、ワシントンはニュートン獲得に動かなかった。具体的にニュートンについて聞かれたリベラHCは、やはり広く構えるスタンスを崩さなかった。

リベラHCは「われわれはすべての選択肢を検討している。何も除外していない。これを進めるにあたり、われわれは自分たちにとってベストだと考えることをするつもりだ」と話したと『Charlotte Observer(シャーロット・オブザーバー)』が伝えている。

ワシントンのQBルームは2020年にいくつかの転換を経ている。先発として開幕を迎えた元1巡目指名選手のドウェイン・ハスキンズがベンチに下げられ、負傷によって再び仕事を得たものの、その後はカットされた。カイル・アレンは4試合に先発として出場した後、けがでシーズン終了となっている。スミスが引き継ぎ、チームの今季7勝中5勝をその手で挙げた。そして、スミスがプレーできなくなったときには、テイラー・ハイニケが学業を中断してポストシーズンゲームで先発している。

ワシントンから放出されたハスキンズはピッツバーグ・スティーラーズと先行契約を結んだ。スミスの将来はまだ分からない状況にある。アレンは独占権FA、ハイニケは制限付きFAとなっている。また、スティーブン・モンテズは2021年も保障のない契約下にある。

明確なフランチャイズQBがいない中、リベラHCとメイヒューGMには、長期的にも短期的にもFAとドラフトを通じて自分たちのQBルームをどう形成していきたいかを決める必要がある。最初の問題は、スミスがもう一度カムバックするかどうかだ。

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