ラムズへのトレードについて「チャンスにかけてみたい」とQBスタッフォード
2021年02月12日(金) 15:10デトロイト・ライオンズで過ごした12年の間にクオーターバック(QB)マシュー・スタッフォードは、フランチャイズにとって久しぶりの大型QBへと成長を遂げた。
12年前に全体1位指名で入団したスタッフォードは、ライオンズの全てのパス記録を保持しているものの、絶え間なく再建を図るチームにプレーオフの山を越えさせることはできなかった。キャリアを通して3度のプレーオフ進出を果たすも、ポストシーズンで勝利を挙げたことは1度もない。
『Detroit Free Press(デトロイト・フリー・プレス)』のミッチ・アルボムとの多岐にわたるインタビューの中で、スタッフォードはロサンゼルス・ラムズへのトレードについて「ほかでキャリアを終えるとは思っていなかった」と口にしている。それでも、ライオンズがスタッフォードのキャリア4度目となるチーム再建を試みる中、スターQBはポストシーズンでの成功に挑むチャンスが欲しかったと言う。
「俺は常にビッグゲームでプレーしたいと思っていた。そういう状況に置かれたらもっと力を発揮できると思うんだ。チャンスにかけてみたい」
2019年12月にライオンズのオーナーは、ヘッドコーチ(HC)のマット・パトリシアとジェネラルマネジャー(GM)のボブ・クインに対して、勝たなければ後はないという条件を突きつけている。スタッフォードはまたもやチームを一から立て直す可能性があることを知っていた。
スタッフォードは「正直に話すと、俺と(妻の)ケリーはおそらく昨シーズンより前に話し始めていた」と述べ、「今回の体制がなんとかうまくいって、試合にも勝てればと思っていたんだ。でもうまくいかなかったらどうなるかも分かっていた。また解体して立て直すということを」と続けた。
「GMやHCが新しくなると必ずそれぞれが馴染みのある人たちを連れてきて、落ち着くまですごく時間がかかる。今度のことにかかわるのは俺じゃない方がいいと思ったんだ」
ライオンズに残っていたら、もしかすると平凡なチームのまま組織はどんどん損なわれ、決してトップクラスのチームと闘えるほどは良くないけれど、底辺になるほど悪くはないロースターであり続けただろうとスタッフォードは言う。
「俺の中では6つ、7つ、8つと勝てると思っていたんだ。だってそれ以上は負けられないだろ?だけど俺一人じゃそれ以上の勝利をもたらすことはできなかったんだ。この先もチームが必要としているようなトップピックを手に入れることはないかもしれない」
スタッフォードが在籍した間にライオンズは全体10位以内の指名権で6回ドラフトしており、今年は全体7位で指名している。
ライオンズの問題はQBの才能うんぬんではない。むしろ、チームを底上げができないスタッフォードが悪いのか、それともスタッフォードの実力に見合った有能なチームを組織が構築できていないのか、ということが問われてきた。
スタッフォードにチャンスに挑む機会が巡ってくれば、ビッグゲームで勝てるシグナルコーラーであることをラムズで証明することができるかもしれない。
「同じ場所で完璧なエンディングを迎えられるとは限らない。でも1つ言えるのは、俺は自分の全てを捧げたという自負をもってこのチームを去ることができるということだ」
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