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RBスイフトを1試合25回のタッチが可能な選手と見込むライオンズ

2021年02月12日(金) 22:41

デトロイト・ライオンズのディアンドレ・スイフト【AP Photo/Tony Ding】

攻撃コーディネーター(OC)としてアンソニー・リンを、アシスタントヘッドコーチ(HC)兼ランニングバック(RB)コーチにデュース・ステイリーを迎えたデトロイト・ライオンズは、2人にオフェンスの改革を託している。つまり、RBディアンドレ・スイフトが活躍するシーズンが期待できるということだ。

スイフトはRB陣のトップ選手としてパスゲームの要になるとリンは現地10日(水)に話している。同時に「彼と一緒にプレーできる選手がもう1人必要だ」とも加えており、ライオンズがより体格のいいRBを探していることを示唆した。

ステイリーは、ライオンズの新しいスタッフがスイフトを1試合で25回のタッチも可能な特別な選手と見込んでいるとつけ加えた。

ステイリーは「RBが成功するには20回のキャリーが必要だと考える人が多く、確かにそういう場合もある」と『Detroit Free Press(デトロイト・フリー・プレス)』のデーブ・ブリケットに述べている。「でも良いRB、突出したRBの場合はタッチの方がキャリーよりも断然重要だ。18回のキャリーと7回のタッチで合計25回のタッチとなるわけだが、スターRBにはそれくらいが求められる。ディアンドレにはサードダウンを成功させる実力に加えて特別な才能があると思っている。だからそれを活かしながら指揮することが楽しみだ」

クオーターバック(QB)にジャレッド・ゴフを新たに迎え、ケニー・ゴラデイ、マービン・ジョーンズ、ダニー・アメンドーラ、モハメド・サヌー、ジャマル・アグニューといったワイドレシーバー(WR)のトップ選手らがフリーエージェント(FA)になることもあり、ライオンズのオフェンスは徹底的に見直されている最中だ。

元RBの選手であるリンは、その経歴とバッファロー・ビルズで1年間オフェンスの指揮を執ったことから、ラン中心のゲーム展開を好むコーチだと思われがちだ。しかし、ロサンゼルス・チャージャーズはそのようなチームではなかった。QBフィリップ・リーバスや昨年加わったQBジャスティン・ハーバートを中心にチャージャーズがリンの下で見せたオフェンスは、明らかにパス優先と言える。

リンは、チャージャーズでHCとして指揮した過去4シーズンの間はプレーコール全体の約3分の1を担当していたと記者たちに話した。パス記録でチャージャーズは毎シーズン10位以内に入っており、2017年にはリーグトップに立っている。オフェンス部門年間最優秀新人賞に輝いたハーバートを擁してチャージャーズは昨季にパスヤードで6位に食い込んだ。決してラン中心の攻撃陣ではなかった。

リンは「元RB選手ということが、地上戦を好むコーチとしてのイメージを作り上げているのは分かっている」と述べた。「確かに過去10年間でランゲームもかなり使ってきたが、1種類のプレースタイルだけではこのリーグのディフェンスには通用しない。アタックやアプローチにはバランスが必要で、われわれはそれを目指している」

NFLがパス中心のリーグであることを踏まえた上で、オフェンスのコーチ陣がスイフトを公の場で称えたことを世間はどう受け止めているか。答えはシンプルだ。スイフトがライオンズで最も優秀なオフェンス選手だということ。

ゴラデイがライオンズにとどまるかが不透明な中、現時点でスイフトがオフェンスの中心選手なのは明らかだ。ダイナミックなプレーを見せるスイフトにどうやってボールを渡すかが今後の課題となる。チャージャーズのRBオースチン・エイケラーのように、ハンドオフとパスを組合せるべきだろう。

ダン・キャンベルがHCに就任して以来、チームはトップ選手の活用を中心に改革を進めている。そのリストのトップにスイフトが据えられているとあれば、彼が焦点となっていても何ら驚きではない。

リンは「パスが50回必要なら、そうする。ランが50回必要なら、そうする。とにかく勝つことに集中したい」と話した。

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