3つの年代、4人の大統領の任期中に7度のスーパーボウル制覇を成し遂げたブレイディ
2021年02月15日(月) 01:50トム・ブレイディが最新の――そして最も注目に値する――スーパーボウルトロフィーを掲げてから1週間が経過した。
紙吹雪は片付けられ、来シーズンの騒ぎはすでに始まっていて、驚きは落ち着きつつあるが、それでもブレイディがタンパベイ・バッカニアーズで成し遂げたことはあまりにも驚異的だ。
43歳という年齢で、10回目のスーパーボウルに出場したブレイディは7度目のタイトルを獲得し、5度目のスーパーボウルMVPに選ばれた。21シーズンのキャリアで2つ目のチームに移り、迎えた初シーズンでのことだ。
これは歴史的瞬間でもあり、『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、ブレイディはNFL史の中で4人の大統領――ジョージ・W・ブッシュ、バラク・オバマ、ドナルド・トランプ、ジョー・バイデン――の任期中にチャンピオンシップを制覇した初めての選手になったという。
NFLリサーチは他にもG.O.A.T.(史上最強)と呼ばれるブレイディが残したいくつもの記録を挙げている。
これまで、4人の大統領の任期中にタイトルを獲得したことがあるNHL選手は6人、NBA選手は3人いて、メジャーリーグベースボール(MLB)から達成者はいない。
ブレイディは同時に、2000年代、2010年代と2020年代の3つの年代でタイトルを取ったNFL初の選手でもあるという。同じことをやってのけたのはNHL選手が7人、MLB選手4人と2人のNBA選手がいる。
しかし、4大アメリカチームスポーツのチャンピオンシップMVPを獲得したアスリート中で最年長なのはブレイディだ。40代になってからというのは初めてのことで、次点を大きく突き放している。
彼は自身が持っていた39歳でのスーパーボウルMVP最年長記録を塗り替えている。ピッツバーグ・パイレーツのウィリー・スタージェルは1979年に39歳でワールドシリーズのMVPに輝いたが、NFLリサーチによると、これが4大スポーツの中で2番目の記録だという。
NFLの中で、ブレイディは自身が持つ多くの記録を更新しており、その圧倒的数字はもはや誰も追い付けないほどの領域に入ってしまった。スーパーボウルで10回の先発というのは、2位で5回のジョン・エルウェイの倍に達しており、スーパーボウルのパッシングヤード3,039ヤードというのもカート・ワーナーが持つ1,156ヤードの2倍以上だ。また、彼の子ども時代のヒーローだったジョー・モンタナが持っていたスーパーボウルのタッチダウン記録もモンタナの11回に対し、ブレイディは21回とほぼ倍になった。
2つの異なるチームでスーパーボウル制覇を成し遂げたQBは、ブレイディと、彼の好敵手であり友人でもあるペイトン・マニングの2人だけだ。個人で7度のスーパーボウル制覇というのは、どのNFLチームよりも多い数字だ。最も印象的な統計はこれかもしれない。誰が最も印象的で、偉大であるかを考えるためのスーパーボウル記録は山ほどある。だが、第55回スーパーボウルが終わった段階で、フットボール界のG.O.A.T.が誰なのかについて悩む必要はもうなくなった。
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