ラムズへのトレードは「優勝する準備ができているチームを希望した」とQBスタッフォード
2021年02月15日(月) 13:32クオーターバック(QB)のマシュー・スタッフォードは1月の数週間、フットボール界で最も需要のある選手だった。スタッフォードがNFL内で唯一知っているチームに対して密かにトレードを申し入れていた頃、いくつかのチームはQBポジションで前代未聞の入れ替えをしようとしていた。
スタッフォードにはウィッシュリストがあった。いや、ただ単にウィッシュ(願いごと)があったのだ。10年以上にわたって個人的には活躍できたもののチームとしての成功は乏しく、元全体1位指名のスタッフォードは再建中のデトロイト・ライオンズに勝ちたいという気持ちを伝えた。
その結果、ロサンゼルス・ラムズへの大型トレードが実現。スーパーボウルまであと一歩およばないラムズにとって、スタッフォードは最後の決め手となり得る。なにしろラムズが最後にスーパーボウル出場を果たしてからわずか2年しか経っていない。その対戦で優勝を手にしたニューイングランド・ペイトリオッツもまた、ベテランスター選手のスタッフォードに興味を示していたいくつかのチームの中にいた。
しかし、どうやら利害が一致していなかったようだ。『Detroit Free Press(デトロイト・フリー・プレス)』のミッチ・アルボムとの多岐にわたるインタビューの後半で、トレード先の候補からペイトリオッツを外してほしいとライオンズに伝えたという報道を、スタッフォードは肯定も否定もしなかった。ペイトリオッツは2008年以来初めてプレーオフ進出を逃し、その後、役職は未定だがマット・パトリシアを呼び戻している。
スタッフォードは「事実だと言えるのは――これはライオンズのすごさを物語っているのだけど――チャンピオンになる準備が整っているチームに行きたいと話したんだ」と述べている。「その候補としてはいくつかのチームが挙がっていた。反対に候補に全く挙がらないチームもいくつかあった。ライオンズはそれを尊重してくれて完全に理解してくれた。それぞれのチームに対して俺なりの考えや理由があった」
3シーズン弱で13勝29敗1分を記録したパトリシアをライオンズがヘッドコーチ(HC)の職から解いたのは昨年11月のことだ。スタッフォードはパトリシアとの不仲説に対してより率直に答えている。
「誰が何と言おうと、彼とは良い関係を築いてきた」とスタッフォードはコメント。「俺は彼のオフィスに行って話すことができたし、彼も必要なときにいつでも俺に電話をしてきた。そういう関係性の中で2人とも成長できたと思う。彼のことは尊敬している。フットボールのコーチとして、その信じられないくらいの知性も」
同様にスタッフォードは以前にHCを務めたジム・コールドウェルに対しても強い支持を示した。コールドウェルは4年の任期中に36勝28敗を記録し、ポストシーズンでも2度戦っている。ライオンズがプレーオフでなかなか勝てない中、コールドウェルの代わりにパトリシアを採用することで「チャンスにかけてみた」とスタッフォードはフォード一家の決断をまとめた。33歳のスタッフォードがライオンズからの退団を求める際に提示したのと同じ理由だ。
ラムズに移ったスタッフォードは、実力に見合ったタイトル獲得を目指すチームで、これまで一緒にプレーしたことのない最高レベルのディフェンスと共に、智将ショーン・マクベイHCの下でプレーすることができる。それでも彼の明らかな興奮は、ライオンズのHC交代に対する責任感を消し去ることはできない。
スタッフォードは「心の折り合いをつけるのが難しいことだ」と話している。「俺がもっとチームに勝利をもたらすことができなかったばっかりに、HC達の任期が短くなってしまったのは辛い」
スタッフォードがライオンズ時代と同じくらいの活躍をラムズでも見せることができれば、ロサンゼルスでの時間は最高のものになるかもしれない。
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