ニュース

ベアーズ守備陣に必要なのは改造ではなく“調整”とDCデサイ

2021年02月16日(火) 14:17

シカゴ・ベアーズのショーン・デサイ【AP Photo】

2013年にアシスタントクオリティコントロールコーチとしてシカゴ・ベアーズに採用されて以来、ショーン・デサイはコーチ陣の再編成に何度か立ち会ってきた。

今度はデサイがベアーズのディフェンスを指揮する番となる。

デサイは2020年シーズンの終了とともに引退した守備コーディネーター(DC)チャック・パガーノの後任となった。昨季のベアーズディフェンスは終盤に失速し、レギュラーシーズン最後の6試合中4試合で27点以上の失点を記録。シーズンを通して苦戦を強いられた時期もあったが、今季もNFL内でトップクラスのディフェンスになれる要素は兼ね備えている。

現地15日(月)、デサイは記者たちに対して今後の取り組みを“調整”と表し、決して改造ではないと話した。

デサイは「われわれのディフェンスは強い。良い選手がそろっている」と『The Athletic(ジ・アスレチック)』のケビン・フィッシュバインに述べた。「改善すべきところは多少あるが、そこは克服できるつもりだ」

ベアーズディフェンスの基盤はでき上っている。本来の実力を基準にすると昨季は落ち目の年だったものの、アウトサイドラインバッカー(OLB)のカリル・マックがベアーズのスター選手であることには変わりない。ディフェンシブライン(DL)アキーム・ヒックスの前線での威圧感は健在、ノーズタックル(NT)のエディ・ゴールドマンはオプトアウトから復帰する見込みだ。ラインバッカー(LB)ロクアン・スミスはケガさえなければ中央で試合を大きく左右することができる。コーナーバック(CB)のカイル・フラーとセーフティ(S)エディ・ジャクソン、そして活躍を見せたルーキーイヤーを終えたばかりのCBジェイロン・ジョンソンらが脇を固める。

マーク・トレストマンがベアーズのヘッドコーチ(HC)を務めていた頃に採用されたデサイは、その後HCがジョン・フォックスに代わり、2018年にマット・ナギーになってからもスタッフの一員としてチームに残っている。つまり、デサイはこれまでに優秀なディフェンスを間近で見ており、とりわけ当時のDCビック・ファンジオが2018年に率いたチームは数々の記録を残している。

現在はデンバーブロンコスのHCであるファンジオについてデサイは「ビックは私にとってNFL内でもっとも影響力のあったメンターだ」と話した。

ファンジオが去ってからベアーズのディフェンスは悪くはないが、かといってトップ5にも入っていない。ベアーズは2018年に『Football Outsider(フットボール・アウトサイダー)』による“DVOA(ディフェンシブプレーがチームの勝利にどれだけ貢献したかをリーグ平均と比較して求める指標)”では1位を獲得。2019年は10位、2020年は8位となっている。

デサイが新しいDCとしてチームにもたらそうと考えているものの多くは、ファンジオからの教えに影響を受けているという。

「これまでに現場でたくさんのことを学ばせてもらった」とデサイは『247Sports(247スポーツ)』のウサイード・コシュールに述べている。「ビックが試合でコールするのを最前列で見ていた。試合後に毎回プレーを振り返ることができた」

デサイにとってはスピード昇格となる。アシスタントクオリティコントロールコーチの後にはパガーノの下でセーフティのコーチをわずか2年しか務めていない。

デサイの抜てきによってベアーズは2018年のファンジオ時代と同じレベルにディフェンスが戻ることを期待している。

デサイも「2018年のディフェンスは最高だった」と認め、「2021年もリーグトップのディフェンスになりたい」と意気込みを見せた。

【R】