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2021年のリーグイヤー開幕を前にフランチャイズタグの指定開始

2021年02月24日(水) 03:00

NFLのフットボール【Aaron M. Sprecher via AP】

本格始動するまでにはもう少し時間の猶予があるが、エンジンの火入れはその時が来た。

現地23日(火)はフランチャイズタグおよびトランジションタグの解禁日であり、新リーグイヤーの幕開けとフリーエージェンシーの開始となる3月17日(水)に向けて最終ステージに突入する。

タグ期限は2月23日から3月9日(火)まで。

各チームは23日から選手にフランチャイズタグもしくはトランジションタグのテンダーに指定でき、7月中旬まで各選手と長期契約について話し合うことが可能だ。期限までに契約延長が実現に至らなければ、選手は2021年シーズンを1年間のテンダーで戦うことになる。

チームは3つのタグオプションを保有しており、(1)非独占的フランチャイズタグ、(2)独占的フランチャイズタグ、(3)トランジションタグだ。

非独占的フランチャイズタグ:これが最も一般的に用いられるタグだ。大多数の人々が“フランチャイズタグ”と呼ぶのは通常、この非独占型のことを指している。これは当該選手に対し、同じポジションの年俸トップ5の平均以上か、本人の前年度年俸の120%、どちらか金額の多い方で1年契約をオファーするものだ。選手は他のチームとも交渉を行うことが可能。所属チームには同条件のオファーを出す権利があり、もしくは引き換えにドラフト1巡指名の権利を2つ受け取ることもできる。

独占的フランチャイズタグ:当該選手と同じポジションの年俸トップ5の平均以上か、本人の前年度年俸の120%、どちらか金額の多い方で1年間の契約をオファーするもの。当該選手は他チームと交渉できない。賃金率(現在の平均年俸と過去5年間の平均年俸の比較)の上昇により、このタグが張られるのはごく限られた選手のみになる。通常、このタグはチームが2つの1巡指名権を譲渡してでも確保したい選手に使われ、昨シーズンにはダラス・カウボーイズのクオーターバック(QB)ダック・プレスコットが独占的フランチャイズタグを手にしている。

トランジションタグ:当該選手と同じポジションの年俸トップ10の平均となる金額で1年間の契約をオファーするもの。フランチャイズタグと違い、平均される年俸は上位5人ではなく10人だ。所属チームには他チームからのオファーシートに対する優先交渉権があるが、それを行使しなかったとしても補償はない。トランジションタグは通常、所属チームが当該選手と他チームの契約交渉に匹敵する条件を出せるように与えられたプレースホルダーだ。

どのチームも上記のタグのうち毎年1つだけ使うことが可能――つまり、フランチャイズとトランジションの両方を指定することはできない。選手はチームから3回までタグ指定を受けることが可能で、そのたびに年俸は上がることになる。通常、3回目のタグがつけられる頃にはサラリーキャップの割合が法外になっていることが多い。

フランチャイズであれトランジションであれ、各ポジションに対するタグは2021年のサラリーキャップに基づいた金額となる。このキャップがまだ正式に設定されていないことから、各チームは現在、概算で取り組んでいる。ただし、サラリーキャップが1億8,000万ドル(約189億4,300万円)以下になることはない。

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