ニュース

シーホークスQBウィルソンに10を超えるチームからトレードの問い合わせ

2021年02月26日(金) 09:41

シアトル・シーホークスのラッセル・ウィルソン【AP Photo/Ted S. Warren】

クオーターバック(QB)ラッセル・ウィルソンの不満はNFL界に知れ渡っている。

10以上のチームがシアトル・シーホークスにウィルソンの獲得可能性について問い合わせたと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地25日(木)に伝えている。数週間前、ウィルソンは公の場のコメントで、2021年を迎えるにあたってシーホークスに複数のエリアで改善を求めていた。

ウィルソンのチームへの不満は、チーム側がパサーとしてのウィルソンの成功を後押ししなかったことに始まっているようだ。ウィルソンはシーズン開幕から好スタートを切ったものの、ヘッドコーチ(HC)ピート・キャロルが好むより保守的なアプローチに戻したことで、シーホークスのオフェンス陣は低迷した。2020年シーズンはスーパーワイルドカードウイークエンドでロサンゼルス・ラムズを前に効率的なパフォーマンスを見せられずに終わっている。

ウィルソンはウォルター・ペイトン・マン・オブ・ザ・イヤーを受賞した後のメディア対応の大部分を使って、シアトルの現状に対する不満を述べていた。ウィルソンはヒットを受けることが多すぎるとの考えを示し、より優れたプロテクトが必要だとコメントする傍ら、キャロルHCのスタッフたちがもっと自分にボールを託し、成果を出すと信じてもらいたいとも話している。ドロップバックが多くなることでより多くのプレッシャーを受け、急いだプレーやヒットが増えると同時に綱渡り的な対応が強いられ、ウィルソンが満足しがたい状況になっていた。

これはまた、高給を受け取る、影響力が強いQBによる、自らの力のデモンストレーションでもある。70歳のキャロルHCと11月に32歳になるウィルソンがけん引役を務めるシーホークスは、チーム再建に臨むような位置づけにはない。かかわる誰もがリセットを望んでおらず、サラリーキャップが通常よりも厳しくなる中で、ジャマール・アダムスのトレードに使用してしまったため、シーホークスにはドラフト1巡目指名権がない。オフシーズンに大きな動きに出る余地はないのだ。

ウィルソンの契約にはノートレード条項が含まれており、両サイドが別々の道を歩む必要が出た場合、シーホークスは完全に無力というわけではなくとも、両陣営にとってうまくいくような契約を結ぶ能力は制限されるだろう。NFLネットワークのスティーブ・ワイチが指摘するように、シーホークスには以前にもこういったタイプのドラマが起こっていた。そして、ほとんどの場合、それは次のシーズンが終わった際に大きな変化につながっていた(リチャード・シャーマンのサンフランシスコ・49ers移籍や、アール・トーマスの離脱など)。

したがって、急速にどこかに向かっているわけではなく、事態は一触即発という状況でもない。だが、何らかの解決に向かうまで、しばらくの間はウィルソンの不満を耳にすることになるかもしれない。

【A】