タイタンズが元1巡目指名のOLウィルソンをドルフィンズにトレード
2021年03月09日(火) 11:12これまでのドラフトの中でも最大の失敗へと急速に向かっていたオフェンシブラインマン(OL)アイザイア・ウィルソンが、新しいチームで再出発する。
2020年にドラフト1巡目でテネシー・タイタンズから指名を受けたウィルソンがマイアミ・ドルフィンズへトレードされたと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地8日(月)に伝えている。チーム間でドラフト指名権のやりとりもあったとラポポートは伝えた。
およそ2週間前、ウィルソンは『Twitter(ツイッター)』でタイタンズの選手としての日々は終わったとツイートしていた。
すぐに削除したツイートの中で、22歳のウィルソンは「タイタンズの一人としてのフットボールは終わった。それ以上のコメントはない」と述べている。
それ以上のコメントがないと言いたいのは、タイタンズの方かもしれない。ルーキーにチャンスを与えながらもウィルソンの出場は1試合にとどまり、活躍よりも起こした騒動の方が大きかった。
タイタンズのジェネラルマネジャー(GM)であるジョン・ロビンソンはウィルソンのツイートに先立ち、12月にリザーブ/非フットボール故障者(NFI)リストに置かれて以来ウィルソンとは直接話していないと述べていた。
ドラフト全体29位で指名されたウィルソンは、ルーキー契約にサインした最後の1巡目選手だった。しかしながら、契約を結ぶ前の段階から、すでにリザーブ/COVID-19(新型コロナウイルス感染症)リスト入りしている。その混乱は、来るべき未来を象徴していたのかもしれない。
タイタンズがウィルソンを指名したときから、これはリスキーな選択だと見られていた。結局、そのリスクを取ってタイタンズが得られたのは、オフェンシブスナップ3回とスペシャルチームのスナップ1回でプレーしたわずか1試合の働きのみだった。
8月、ウィルソンはテネシー州立大学のキャンパス外のアパートメントでマリファナの匂いがするとの通報に警察が対応した事件に関与しており、当時、2階のバルコニーに移動して飛び降りようとしている模様だったと『Associated Press(AP通信)』が伝えていた。このインシデントの後、ウィルソンは9月にDUI(飲酒や薬物の影響下での運転)によって逮捕されている。
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タイタンズは12月、シーズン第14週の前にウィルソンをNFIリストに置いている。
ウィルソンは自分のイメージを立て直し、1巡目で指名されるだけのポテンシャルをフルに発揮すべく、ヘッドコーチ(HC)ブライアン・フローレスとそのスタッフの下で再出発を図る。ドラフトの失敗例としてのみ人々の記憶に残るような状態で過去のものとされる前に元1巡目指名選手を立て直せる人物がいるとすれば、その筆頭に立つのがフローレスHCだろう。
短く、騒々しいタイタンズ時代は終わり、マイアミの新しい地平線がウィルソンの前に見えている。
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