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両者の意向通り、ペイトリオッツがQBニュートンと1年契約へ

2021年03月12日(金) 22:29

ニューイングランド・ペイトリオッツのキャム・ニュートン【AP Photo/Steven Senne】

クオーターバック(QB)キャム・ニュートンがニューイングランド・ペイトリオッツに戻ってくる。

ペイトリオッツがニュートンと1年契約を結んだと『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが報じた。

最初にこのニュースを伝えたのは『The Boston Globe(ボストン・グローブ)』だった。

NFLネットワークのマイク・ジアルディが今月初めに伝えていたように、今回の再契約も驚きのニュースではない。ヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチックはニュートンについて前向きに語っており、ニュートン自身もペイトリオッツに残りたいとの意向を示していた。

先月にポッドキャスト『I Am Athlete(アイ・アム・アスリート)』でペイトリオッツへの復帰は歓迎か聞かれたニュートンは、強い口調でこう答えている。

「イエス、当然だよ! (チームが)変わるのはもう、うんざりだ」

少なくとも、ニュートンはあと1シーズンはチームを変えなくて済む。

ニュートンは2020年にも1年契約によってニューイングランドでプレーしている。175万ドル(約1億9,000万円)の契約は、インセンティブに重きを置いていた。31歳のニュートンは15試合に先発し、パス成功率は65.8%、2,657ヤード、タッチダウン8回、インターセプト10回を記録した。『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、ニュートンのパサーレーティングは比較対象としての条件を満たしたQBの中で22位にあたる。ニュートンはランでも592ヤード、タッチダウン12回をマークした。

ニュートンはシーズン序盤にCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の検査で陽性だったことで、1試合を欠場した。オフシーズンに入ってから、ニュートンはその時間を失ったことがシーズン後半の苦戦の一因だったと話している。

2020年に10試合以上に先発した26名のQBの中で、ニュートンの試合平均パスヤード(177.1)とタッチダウン対インターセプト比は最下位になっている。しかしながら、ニュートンはペイトリオッツが2020年に記録した32回のスクリメージタッチダウン中、13回を決めており(40.6%)、これはどの選手よりも高い数字だった。最も近いQBはアリゾナ・カーディナルスのカイラー・マレー(22.4%)だった。

攻撃コーディネーター(OC)ジョシュ・マクダニエルスの元でオフシーズンをフルに過ごすことは、ニュートンのペイトリオッツ2年目における成長を促すだろう。再契約に至ったということは少なくとも、チームは攻撃陣の苦戦をニュートンのプレーの低下ではなく、周囲の状況によるものだと考えていることを示している。

ニュートンとの1年契約がベリチックHCの長期的なソリューション探しを――特にドラフトで――妨げることはない。しかしながら、フリーエージェント(FA)期間を前にベテランQBを加えるための許容可能な選択肢が少ないことから、ニュートンをキープしたことはすべての関係者にとって意味のある決断だっただろう。

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