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イーグルスでは全力を尽くしたとコルツQBウェンツ

2021年03月19日(金) 15:29


フィラデルフィア・イーグルスのカーソン・ウェンツ【AP Photo/Al Drago】

フィラデルフィア・イーグルスとクオーターバック(QB)カーソン・ウェンツの物語は、現地17日(水)に正式なものとなったインディアナポリス・コルツへのトレードという形で幕を降ろした。

シーズン終盤にベンチ入りしたウェンツはトレードを要求し、イーグルスとのアップダウンの激しい5シーズンに終止符を打った。全体2位指名での入団に始まり、MVP候補にも挙がっていた2017年はケガによってシーズン終了。その後に巨額の新契約を結ぶものの、QBジェイレン・ハーツのドラフトも影響して2020年は悲惨な結果に終わっている。

コルツは新しい先発QBを紹介する記者会見を木曜日に開き、そこでウェンツはイーグルスで過ごした時間に悔いはないと話した。

ウェンツはトレードを要求したことについて「シーズンの終わりにかけて代理人や多くの関係者と話を重ねた。詳細について話すつもりはない」とコメント。

「コンペティターとして俺はこれまでに自分の競争力を疑ったことは1度もない。でも結局のところ、これは自分がコントロールできるものではなかった。イーグルスで経験したこと、与えられた機会すべてに感謝している。この5年間で俺はフィールド上でもそれ以外の場所でも全力を尽くしてきたし、それがあって今の自分があるんだと思っている。毎晩、今日もベストを尽くしたと自信を持って眠りについていた。みんなが望んでいた通りにはいかなかったけど、あの街に心も魂も捧げたという思いを胸に俺は安らかに眠れる。新たなスタートと新たな機会が楽しみだ」

トレードされたくなかったという意味かと率直に聞かれたウェンツは「もうあれこれ言うつもりはない」と答えた。

ウェンツがイーグルスの経営陣に失望していたことは明らかだ。ヘッドコーチ(HC)のダグ・ペダーソンは最後の4試合でハーツを起用するためウェンツをベンチに下げたが、ペターソンHCを解雇しても根本的な問題は解決しなかった。

2巡目の指名権でハーツを獲得したジェネラルマネジャー(GM)のハウィー・ローズマンは木曜日にトレードについて聞かれ、ウェンツとは腹を割った話を何度かしたと述べた。

ローズマンGMは「ウェンツからは別々の道に進みたいという気持ちが感じられた」と話している。「われわれは彼に、両者にとってうまくいくようにしなければならいと話した」

最終的にローズマンGMはトレードを決断し、来年には1巡目で使えるかもしれない条件つきの指名権も得たことで両者にとってウィンウィンな結果となった。

ウェンツは「誰も想像していたような終わり方ではなかった」と口にしながらも「イーグルスでの経験は他の何にも代えがたい」と加えた。

袂を分かつことになった両者は、急速にそれぞれの道を歩み始めている。

【R】