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ハーツを助ける一方、自らの力も証明するとイーグルスQBフラッコ

2021年03月26日(金) 15:22

ニューヨーク・ジェッツのジョー・フラッコ【AP Photo/Wilfredo Lee】

4年で4つ目のチームに加入したクオーターバック(QB)ジョー・フラッコは、現地25日(木)に本人がそうと認めたわけではないものの、ベテランのバックアップとしての役割が期待される状況に置かれつつある。

フラッコは当然、長年の先発としての経験や、スーパーボウル制覇の経験をイーグルスにもたらす。しかしながら、イーグルスは2021年に真剣な争いができるポジションにあるわけではなく、さらにはこの秋から先発を務めると見られる若きシグナルコーナー、ジェイレン・ハーツがいる。

つまり、イーグルスにとってフラッコの最も大きな価値はメンターとしての部分に置かれていると見られる。フラッコには少なくとも、ハーツのプロとしての成長を助けるだけの見識を持つ、信頼性の高いバックアップとしての役割が期待されていそうだ。

ハーツのメンターとなるのか尋ねられたフラッコは「前にも言ったように、どのQBルームでもみんながお互いを助けるものだと思う」と話した。

「それはチーム全体がやること。だから、たくさんのフットボールゲームで勝利を目指す上で、俺も自分の役割を果たすつもりだ。その一部にQBルームで努力し、お互いに助け合うことがある」

フラッコは木曜日にさまざまな状況で戦うことの重要性に触れており、一部ではイーグルスで先発の座を懸けて戦うチャンスがあるとフラッコが考えているのではないかとの見方があった。それはイーグルスがハーツをフランチャイズQBにするとの見通しと相反する考えであり、チームが長期的にチームをまとめていくのではなく、フィールドに可能な限りベストの選択肢を投入するという方向性を示唆する。

本質的にはそういったアプローチがイーグルスを現在のポジションに置いたと言える。イーグルスはかつて将来のフランチャイズQBと目した選手をトレードに出し、大掛かりなロースター転換を行った。そして、そういった動きによって、ディビジョンタイトル争いから外れている。NFC(ナショナル・フットボール・リーグ)東地区ではクレイジーなことが起こるものだが、それでもフラッコが第1週の先発に立つという状況は想像しがたい。

先発を務める希望があることを、フラッコは否定しないだろう。むしろ、否定する選手などいないはずだ。しかし、フラッコは先発の座を懸けて戦うのかという質問に対して「今の時点では、真剣に考えてすらいない」と応じた。

「前にも言ったけれど、俺はただかかわりたかっただけだし、フットボール選手としての目標っていうのは常に、周りにいる人たちに自分にはフットボールがプレーできると示すことだ。それがどういうレベルのプレーでも構わない。第一線なのか、それとも控えや3番手としてなのかを問わず、そのフットボールチームの全員に自分はプレーできると示し、このチームの中で、一定のキャパシティでスポットを得るにふさわしいと示す。それが俺の仕事だ」

デンバー・ブロンコスでのプレー期間は首の負傷によって短く終わってしまった。昨シーズンに仕事を見つけられたのは、そのけがが治ったと確認されてからだった。信頼できるバックアップであることは証明済みだが、36歳の今、それが現時点のフラッコの最高到達点だ。

イーグルスが来月実施されるドラフトで他のQBを獲得しない限り、ハーツがイーグルスのQB1であることに変わりはない。緊急事態が発生すれば、イーグルスはフラッコを頼みにするだろう。しかし、それ以外のケースは現時点では考えがたい。

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