WRブラウンとの会話に導かれたバッカニアーズRBフォーネット
2021年04月01日(木) 13:05ランニングバック(RB)レナード・フォーネットは2021年にタンパベイ・バッカニアーズに戻ってくるスーパーボウル先発メンバー22名のうちの一人だ。しかし、チーム帰還は単純な決断ではなかったようだ。
フォーネットは2020年に多くを学んだ。NFLで仕事をすることの価値、チームにとっての自身の重要性(もしくはその欠如)、チャンスが来たときにつかむことの重要性。そして、それらがフォーネットに新たな視野を与えた。2021年に何をするかの決断がやってきたとき、自分が知るチームとより少ない金額で契約することが、フォーネットにとって最良の選択肢となったのだ。
「難しいプロセスだった。自分は支払いを得て当然だと分かっていたから」とフォーネットは現地31日(水)に述べている。
「俺は自分を信じているし、ただ戻ってきて自分自身を楽しみたかった。一群の中でニューフェイスになるんじゃなく、自分のプロセスを満喫してきたチームに戻った。このチームに来たことは、俺にとってはかなり恐縮なことだったと思う。すごくたくさんの才能がいて、チームの中のそんな一員であることに、もうすっかり馴染んでいる。それが、もっと成長するためにすごく役立ったと思うんだ。どこか別のところでもっとたくさんのお金を手にすることはできたはずだけど、今はとにかくここが正しい場所だと感じている」
実際のところ、それほど巨額に値する成果を残していたわけではない。2020年シーズンの開始直前に驚きのカットでチームを失った元ジャクソンビル・ジャガーズ所属のフォーネットは、バッカニアーズと契約を交わす。シーズン第2週に103ヤード、タッチダウン2回という活躍を見せたフォーネットだが、それ以外は特に活躍していなかった。
ロナルド・ジョーンズに先発の座を奪われ、負傷がないながらも3試合に出場できなかったフォーネットは、危機に瀕していることに気づいた。そしてその時、新しいチームメイトであるワイドレシーバー(WR)アントニオ・ブラウンと出会った。
「俺はただジョークにしたかっただけなんだ。彼に“ひどいよな、Last Chance U(ラスト・チャンスU/アメリカのドキュメンタリー番組)みたいだ”って言った。へまするわけにはいかない。2度目の回り道をしているような、そんな感じさ。彼は“分かってるじゃないか、そういう風に考えなくちゃならない。神は多くのチャンスを与えてくれない。ここから最高のチャンスをつかまなきゃいけないんだ”と言った。“お前は正しい、レナード”って。この会話が、俺をこのシーズンを通してずっと導いてくれたと思う」
そう語るフォーネットはその1年前、ジャガーズのリードバックだった。元1巡目指名選手のフォーネットだが、5年目オプションは2020年シーズン開幕前にジャガーズによって退けられた。苦戦するジャガーズで2019年に1,152ラッシングヤードをマークして貢献したフォーネットだったが、チームによってリリースされたことで新たな現実に向き合うことを強いられる。ジョーンズに先発の立場を奪われたことも、そんな現実の一幕だった。
「分かるだろうけど、俺はカットされて、(ブラウンも)カットされて、感情的な面として、ずっと素晴らしい人生だったのに、それが突然ストップしてしまう。小休止してしまう。偉大なアスリートにとってそれは大きな転換だと思うし、そこを通り抜けていかなければならない」
フォーネットの2020年のストーリーがどういった結末を迎えたかはご存じの通り。プレーオフの試合すべてで得点を挙げ、第55回スーパーボウルで栄誉を手にした。
「キャンプでは競うことになるだろう。誰にも、何も約束されてなんかいない」と言うフォーネットは次のように続けている。
「俺は前にもここにいたし、競争について分かっている。カレッジみたいな感じだ。俺が言っていることは分かるだろう? 今はひたすらトレーニングして、体を作るとき。そのときがきたらすべてをスタートさせ、先発の役割をかけて争わなきゃいけない。すごい戦いになるだろう」
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