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QBスタッフォードに長期的な役割を期待するラムズGMスニード

2021年04月08日(木) 17:16


デトロイト・ライオンズのマシュー・スタッフォード【NFL】

レス・スニードはロサンゼルス・ラムズのジェネラルマネジャーを務める間にリスクについての理解を深めている。

スニードは全体1位指名権を使ってクオーターバック(QB)ジャレッド・ゴフを指名し、高額をつぎ込んでランニングバック(RB)トッド・ガーリーと契約を延長した。このオフシーズンには複数のドラフト指名権を使ってゴフをマシュー・スタッフォードとトレードしている。

どの分野であれ、改善にはリスクが伴う。常に変わりゆくNFLにおいて、スニードはラムズの競争力にとって必要だと見なせば、そのチャンスに乗り出すことを恐れない。とは言え、スニードが取ってきたリスクのすべてがうまくいったわけではない。スニードの最も新しい賭けは単独の決断によるものではなく、そもそもかつてスニード自身がゴフに賭けたことに端を発する。今回の賭けは、もしかしたらラムズにこれまでで最高のポジションをもたらしてくれるかもしれない。

「われわれは常に前のめりだ。常に先回りし、刃を研ぎ、ライバルたちに考えさせ続け、可能であれば後ろにとどめておくために、ロースターの部分で何をするのが最良なのか?」とスニードは『The Athletic(ジ・アスレチック)』とのインタビューで語った。

「それが、われわれのしようとしていることだ。短期的であれ、長期的であれ、日曜日の午後に助けになると考えるならば、われわれはそれをやる。すべて賭けだ。賭けがすべてうまくいくわけではない。より大きな賭けのいくつかは比較的うまくいくチャンスがあると感じているし、そうでなければやらない」

「ジャレッドはわれわれのためにたくさんのことをしてくれた。たとえ“おお、マット・スタッフォードが獲得可能だ。われわれが今現在いる位置からすれば、おそらく今後4年か5年で、マット・スタッフォードがその経験によってわれわれをジャレッドができなかった位置に上げてくれる”と考える地点にわれわれが至ったとしても。ジャレッドがそこへ行けないと言っているのではない。ただチャンスが来ず、ときに私はそういった状況では外科手術が必要だと、手術のような決断が必要だと言う。確かに無情かもしれない。われわれが現時点で考えているのは2021年だけではなく、2022年、2023年、2024年のラムズにとってベストなことだ」

スタッフォードの獲得によって、スニードはチームをスーパーボウルへと導いたゴフの1巡目指名も、ロサンゼルスがポテンシャルをフルに発揮するための準備にはつながらなかったと認めざるを得ないことになる。すなわち、スニードによる全体1位でのゴフの指名は大成功ではなかったということだが、その次で指名されたQBカーソン・ウェンツもまた、このオフシーズンにトレードされている。その点では、現状はスニードだけに限られた状況ではない。

ただし、スニードだけに言えるのは、QBポジションをアップグレードし、チームをタイトル争いできる期間に据えるために最適な位置にいたという点だ。最近の傾向として、その期間はさらに長くなる可能性があるとスニードは考えている。

「われわれは2年を考えていたわけではないと思っている。(スタッフォードの)年齢に基けば、5年から7年や、8年は確実に考えることができる。ドリュー(ブリーズ)がしてきたことを見ればね。別にトム・ブレイディとやろうというわけではない。彼のような経歴を持つQBたちの多くが30代後半までプレーしている。だから、(スタッフォードにも)間違いなくそのビジョンがある」

ラムズが26歳のゴフをデトロイト・ライオンズに送り、33歳のスタッフォードを獲得した以上、そういった考え方はトレードを実施する上での必須要件とも言える。この規模のトレードが成立するのは、20代のQBを送り出すチームに、すぐにポジションのアップグレードが可能な場合のみだ。

「QBがかかわるこれだけの規模の動きを行う場合、特にジャレッドがかかわっているようなときには、相手方は間違いなくマシュー・スタッフォードでなければならない」と言うスニードは、次のように続けた。

「ドラフト指名権と引き換えにジャレッドを失うのでは、われわれは強くはなれなかった。これはそういうケースではなく、マット・スタッフォードクラスの能力や経験といったあらゆる要素やスキルセットが必要だったと思う」

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