リーグが正当な理由のない限りチームスタッフにワクチン接種を要求
2021年04月14日(水) 10:35ワクチン接種を進める努力がアメリカ全土で続けられる中、NFLはリーグで働く人々の安全性を確保するための方策を改めている。
現地13日(火)に『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが取得した覚書によれば、リーグは各チームに第1層と第2層の従業員(選手を除く)は“そうしないだけの正当な医療上もしくは信仰上の理由がない限り、ワクチンを接種するものとされる”と通達している。それらの理由がなくワクチン接種を拒む人物については第1層および第2層に分類される資格がなく、“したがって<フットボールオンリー>の制限エリアにアクセスできず、選手と直接的に、もしくは接近して業務することはできない”という。
また、ワクチン接種済みの人物については新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを受けて導入されたさまざまなプロトコル(濃厚接触者の隔離、ロッカールームの制限、ミーティングやカフェテリアの使用法、検査の頻度等)を緩和することを想定しているとリーグはつけ加えた。
アメリカではワクチン接種を促進し、まだ接種していない人々に適切な情報提供を行う努力が続けられている。火曜日に明らかになった覚書によって、NFLはこれらの努力におけるアクティブな役割を担おうとしている。NFLとNFL選手会(NFLPA)は選手のワクチン接種を義務化しないとの姿勢を保っているが、ペリセロが火曜日に『NFL NOW(NFLナウ)』で指摘したように、まだオフシーズンの比較的早い段階であるため、リーグが今後、従業員が2つの異なるルール下――ワクチン接種者を対象とするルールと、非接種者を対象とするルール――で業務にあたる環境に向けて取り組む可能性がある。前者では健康安全上の要項が緩和され、後者では2020年に取られたような厳しい制限が課されることになる。
これと関連する内容として、リーグとNFLPAは月曜日のスケジュール開始に向けてどういった形のオフシーズンプログラムを取るのかの議論を続けているとペリセロは報じた。NFLPAは昨年と同様のすべてバーチャルな形のオフシーズンを引き続き希望しており、そうでなければ参加しないよう選手らに促している。6月に実施される参加必須のミニキャンプまではすべてのオフシーズンアクティビティが自主参加であり、トレーニングキャンプはミニキャンプ同様、参加必須となっている。
また、リーグはこの覚書にて、各チームに選手と家族、スタッフに向けたワクチンに関する情報提供を行うセッションを計画、実施することを要求している。これは特に選手とその家族を対象に、懸念を解消し、必要とされる情報を提供することを目的としている。
「医療および公衆衛生の専門家の間で圧倒的に合意されているのが、COVID-19の感染リスクを退け、他者を感染させるリスクを避けるための最も効果的な方法は、ワクチン接種だということだ」とリーグは覚書の中で述べた。
「われわれの医療チームはNFLPAの医療アドバイザーらと密接に協調し、この結論を強化して接種可能なワクチンの安全性と効率性を周知するための総合的な教材を開発してきた」
リーグは各チームに対し、従業員のワクチンに対する理解を深め、ワクチン接種による業務上の利便性について知らせることを求めている。主な利点としては施設内の<フットボールオンリー>エリアへのアクセス、検査や追跡デバイス、ならびに隔離の必要性の回避がある。各チームには週ごとにワクチン接種済みの従業員数を報告することが義務づけられる。さらに、リーグは“ワクチン接種が一定の基準に達したチームを対象に、ワクチン接種済みの個人に対する検査やPPE(個人防護具)使用、物理的距離の確保や遠征等の要求を緩和する一連のプロトコル変更についてNFLPAと活発に議論している”とのことだ。
「同様のプロトコル上の機会が他のスポーツリーグでも適用されており、NFLにおけるCOVIDプロトコル緩和の見通しは選手やスタッフのワクチン接種を促進するはずだ」とリーグはこの覚書につづった。
NFLはすべてのチームがスタジアムやトレーニング施設をクラブスタッフや選手、接種対象となる家族のためのワクチン接種会場として使用することを求めている。これはリーグ内での大量のワクチン接種を円滑に進めるべく、接種日や接種会場の利便性を高めることを目的としている。各チームにはこの点についての計画をリーグオフィスに通知し、4月19日(月)までに各層に含まれる従業員のワクチン接種率をリーグに提供することが求められている。
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