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ブロンコス、シーホークス、バッカニアーズの選手が自主参加のワークアウト欠席を表明

2021年04月14日(水) 14:24

フィールドに置かれたフットボール【Aaron M. Sprecher via AP】

デンバー・ブロンコスとシアトル・シーホークスの選手らがチーム単位として初めて、自主参加のオフシーズンワークアウトに参加しないとの意向を表明した。後にスーパーボウル王者であるタンパベイ・バッカニアーズの選手たちも自主参加のオフシーズンワークアウトを控えると発表している。

現地13日(火)にNFL選手会(NFLPA)が発表した声明によれば、ブロンコスの選手は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックがよりコントロールされた状態になるまでオフシーズンワークアウトをスキップすると述べている。

「アメリカで最も偉大なゲームで競技するために1年中疲れを知らず働いてきたわれわれ選手にとって、NFLでプレーすることは一つの夢だ」と声明では述べられていた。

「オフシーズンプログラムが1週間足らずで始まる中、われわれ選手が安全な形で戻るための十分なプロトコルがない状態であり、われわれは自主参加のオフシーズンワークアウトに参加しない権利を行使する。COVID-19は私たちの家族やコミュニティーにとって深刻な脅威であり続けており、活発な活動のないこの期間にリスクを冒す意味はない。われわれの街における陽性率は昨年のこの時期より高く、ここ数週間で選手らがクラブ施設で感染したことを把握している。昨年は完全にバーチャルなオフシーズンを行ったにもかかわらず、NFL全体のプレーの質はほぼあらゆる基準においてこれまでより高かった」

シーホークスのプレーヤーらも後にNFLPAを通じて同様の声明をリリースし、ワークアウト不参加を選んだ経緯を説明している。

「すべての要素を検討した上で、われわれはチームとして気が乗らないながらも、必要な決断を下した。全員の安全を守るために、われわれシアトル・シーホークスは自主参加の直接対面でのワークアウトに出席しないというCBA上の権利を行使することを決定している。この国の多くの州でまだCOVID-19感染者の数は増えており、われわれはバーチャルなオフシーズンが全員を守るうえでベストだと考えている」

「COVID-19のデータに前向きな変化があり、参加義務のあるワークアウトが始まる前に選手が安全に戻れるようになることがわれわれの希望だ」

それに続いてバッカニアーズがNFLPAを通して下記のような声明を発行した。

「このリーグを通じて、NFLプレーヤーというのは仕事やコミュニティー、そして家族を大事にするプロ集団だ。われわれはこのオーガナイゼーションやバッカニアーズファン、そしてお互いに、もう一度チャンピオンシップをタンパベイに持ち帰ると約束した。選手会が安全性のプロトコルの交渉に取り組んでいるのは承知しているが、現在進行中のパンデミックと照らし合わせ、リーグの他の選手たちと並び立って自主参加のオフシーズンプログラムには参加しない権利を行使する。昨年は完全にバーチャルなオフシーズンを送り、われわれは勝つための仕事を行う責任をお互いに負った。今回もそうする意向だ」

NFLはこれらの声明に対してまだコメントしていない。

自主参加のワークアウトは来週の月曜日に開始することになっている。NFLとNFLPAは直接対面での作業をどの程度入れるかを話し合ってきた。選手会は対面でのワークアウトは実施しない方針を推してきたが、NFLは短縮したものであれ、ある程度は現地でのワークアウトを行う計画だと述べている。

ブロンコス、シーホークス、バッカニアーズの選手たちによる集団としてワークアウトに参加しないという発表は初めての動きであり、『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロによれば、他のチームと選手たちも話し合いを持つ中でその一部は“白熱”し、こういった発表がこれから増えることが“予測できる”という。

一部の選手は契約にワークアウトボーナスが含まれている。ブロンコスではラインバッカー(LB)ボン・ミラー(50万ドル)、ガード(G)グラハム・グラスゴウ(10万ドル)が高額なワークアウトボーナスを契約に含んでいる。シーホークスではセーフティ(S)クアンドレ・ディッグスに10万ドルのワークアウトボーナスがある。

ペリセロが火曜日に伝えた内容では、このオフシーズンにブロンコスのチーム施設でワークアウトをする選手は22名であり、最多のダラス・カウボーイズ(25名)に次ぐ2番目の多さとなっている。このオフシーズンにチーム施設に15名以上の選手が戻ってくるチームは12チームあるとペリセロはつけ加えた。

しかしながら、ブロンコスのキッカー(K)であり、選手代表者でもあるブランドン・マクマナスは、施設にいる選手の大部分はリハビリを目的としており、COVID-19プロトコルは実施されていないと応じた。

選手会は一つの論拠としてトレーニングキャンプのプログラムが実施できなかった昨シーズンのプレーレベルを挙げつつ、完全にバーチャルなオフシーズンをプッシュしてきた。

シーホークスのワイドレシーバー(WR)であり、選手代表であるタイラー・ロケットは報道陣に対し「あらゆることに適応し、いろいろなことをやりながら、俺たちはCOVIDのケースが起こることなくシーズンを戦いきる道に行きついた」と話している。

「今年を迎えるにあたり、前にも言ったようにもう声明が出されているし、すべては声明で言い尽くされているけれど、去年はパンデミックと世界的なシャットダウンのせいで誰も想像していなかったバーチャルオフシーズンをやって、パーフェクトに機能した。声明では、俺たちが今年にバーチャルでやることを望んでいる点にも触れられている」

ペリセロが報じたところによれば、ブラウンズの選手代表であるセンター(C)JC・トレッターは先週に電話で選手らと話し、NFLの最新の提案がはじめの2週間をバーチャルで行った後に対面でのワークアウトをスタートするというものだったと伝えたという。選手会は参加義務のあるミニキャンプを含め、トレーニングキャンプ前のすべてをバーチャルで行うことを希望している。

NFLPAは火曜日に全選手にあてた文書の中で、引き続きバーチャルオフシーズンを推奨している。

「NFLPAのエグゼクティブディレクターであるデモーリス・スミスと会長のJC・トロッターが全選手に文書を送り、現在のCOVID-19のパンデミックの中で自主参加のワークアウトには参加すべきではないとの選手会の推奨を再度通達した」

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