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2020年に「良かったと思えた試合は1つだけ」とブリーズ

2021年04月22日(木) 23:57

ニューオーリンズ・セインツのドリュー・ブリーズ【AP Photo/Mark LoMoglio】

ドリュー・ブリーズは2020年シーズンの半ばに肋骨(ろっこつ)の骨折と肺の虚脱で4試合を欠場した。最後のNFLシーズン中に未来の殿堂入りクオーターバック(QB)が抱えていた問題はそれだけではなかった。

現地21日(水)プロアマ・ゴルフのチャリティートーナメントを前にTPCルイジアナで会見に臨んだブリーズは、自身が好感触を得たのは1戦だけ――第4週のデトロイトでのライオンズ戦だったと明かした。

「本当にいいと感じられたのは1試合だけだった。ツールボックスに全ての道具がそろっていると感じられたのはその1試合だけだったんだ」と第4週のロード戦に言及し、彼は述べた。「シーズン中の僕にはできることとできないこと、多くの制約があって、自分でもそれを認識していた。それは競技者としてはすごくつらい。本来ならできると分かっているのに、さまざまなけがや体の状態によってそれができないというのは本当につらいよ」

「そうしたいくつかのものは気まぐれに起こるんだ――足底筋膜の断裂、肩のダメージ、肋骨(ろっこつ)損傷、気胸。そういうものがあれこれ起きて――シーズンの大半で腹部に問題を抱えていた。QBの仕事には回転がつきものなんだ」

「それなのに思うように回転できないと、突然の調整を強いられるようになり、全てが狭まってしまうんだ。つまり、“このスローは無理、あのスローも無理、そのスローも無理”となってしまう。すると、“じゃあ何ならツールボックスに残っているんだ?”となって、それではプレーが難しくなってしまう。そんな状況でも、何とか方法を見つけてやり遂げなくてはならない。僕らはやってのけたと思うよ。でも、難しかった」

その第4週のデトロイト戦の勝利で、普段の武器の多くを欠きながら、ブリーズは246ヤードを投げ、76%のパスをコンプリートし、タッチダウン2回とインターセプト1回を記録した。これを皮切りにニューオーリンズ・セインツは9連勝を挙げるが、ブリーズはそのうち3試合を欠場している。

シーズン中にはほとんどの選手がけがをする。誰にも気付かれずに傷やあざを抱えたままプレーしている――ブリーズのように。彼は20年のキャリアの終わりに、たとえ負傷していても、その他大勢より優れたオプションであることを証明した。

これから人生の次のフェーズに進む42歳は、アメリカンフットボールを越えた先の未来に備え、新たな日々のルーティンに慣れ始めたばかりだ。

「寂しく思うのは自分で分かっている。NBCと契約することにした大きな理由がそれだ。マイク・ティリコとノートルダム大学の試合でブロードキャスターを務め、“Football Night in America(フットボール・ナイト・イン・アメリカ)”でアナリストを務める。そうすることで試合との関わりを続け、コーチや選手たち、今までキャリアを通して築いてきた人たちとの関係を持ち続けることができる」と彼は述べた。

「でももしかしたら、ただ単に選手でなくなったことから来る空虚感を埋めるためなのかもしれないね。次の章に進むことにはワクワクしている。この新たな機会を本当に楽しみにしているんだ。と同時に、チャレンジがあることも分かっている。特にフットボールシーズンが近づくにつれて、多くの感情が湧き起こってくるだろう。みんなが仕事に戻り、次のシーズンに向けて準備を始める、あのうずうずする興奮を感じ始めるのに、自分はもう選手じゃないんだと実感する瞬間がやってくるのだろう」

【M】