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ジャージーナンバー変更に「ブロックする相手を間違わないように」とQBブレイディ

2021年04月23日(金) 10:21

タンパベイ・バッカニアーズのトム・ブレイディ【AP Photo/Ashley Landis】

長く続いてきたジャージーナンバーの規定が緩和されたことがソーシャルメディア上で話題になっている。

しかし、より自由なフットボールの未来に夢中になっている人々の中に、クオーターバック(QB)トム・ブレイディはいなかった。

ブレイディは現地22日(木)に『Instagram(インスタグラム)』のストーリー機能でジャージーナンバーの変更について自らの意見を強く打ち出した。今回の変更の一部として、ディフェンシブバック(DB)が1から49、ラインバッカー(LB)が1から59と90から99が使用できるようになる。ブレイディはインスタグラムに「どうか相手を間違わないでブロックできるように頑張って!!!! いろいろ良くないプレーが出てきそうだ」とつづっている。

「なぜラインマンにも好きな番号を使わせないんだ? なぜナンバーを使うんだ? 色分けしたジャジーだけでも・・・なぜ同じナンバーを使わない? ・・・ばかげてる」

ブレイディはスナップ前にあるディフェンダーがどのポジションをプレーしているのかを特定する点での問題を示唆している。ブレイディを含む誰もが何十年も理解してきたフットボールでは、ラインバッカーは40から59、もしくは90番台を着用していた。こういったナンバーを見つけることがスロットにいるディフェンダーがLBだと特定する助けになってきたものの、今後はそのディフェンダーが3をつけているかもしれないし、17や29かもしれない。そのことがスナップ前の読みに卓越したQBにいくらかの混乱をもたらし、決断に影響してくるだろう。

他にもスナップ前の特定プロセスに混乱が生じる可能性がある。何人の、そしてどのタイプのスキルプレーヤーがハドルにいたのかを特定するのに単純な数字を使う世界では、まずはランニングバック(RB)を確認し、それからタイトエンド(TE)を見て他のレシーバーに移っていた。RBは20から49、TEは40番台か80番台だった。

新しいルールではこれらの選手に加えワイドレシーバー(WR)も1から49および80から89を着用できる。使える数字の幅からTEを選別して、守備的にどう対応するかを検討する方法はもう使えない。

すべてのスナップの前に、どれだけ高速の決断が求められていることか。時に両サイドの選手がスナップに向けて整列する直前まで守備選手がフィールドを出入りすることもある中で、ブースやサイドラインにいるコーチが相手のロースターをスキャンしてハドルにいるナンバー9が誰なのかを確認する時間はほとんどない。

あれはRBか? TEなのか? それともレシーバーか? ヘビーパッケージなのかもしれないが、1桁(もしくは10番台、20番台)の人数を見るに5レシーバーのセットか? いつからY(インライン)のTEは7を使っている? 彼らがスプレッドなのになぜこちらは4-3なのか? 早くサブを投入しろ!

混乱が場を支配するかもしれない。しかし、現実的に考えるなら、コーチの方も十分に準備を整えるだろう。テープを入念に確認し、どのプレーメーカーがどのナンバーをつけているか把握するはずだ。彼らが驚くことはめったにないだろう。

ラインマンにも1桁の数字を使うことを許可するか、ナンバーそのものをなくすべしと主張したブレイディだが、時代に逆らうのではなく、受け入れることでこれまで年齢を感じさせてこなかったその勢いを維持していくべきなのだろう。最新のポップカルチャーやテクノロジーの変化についていくのはきついことだが、ブレイディはそれを見事にやってきたのだ。

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