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現状の指名権に満足ながらもトレードダウンを試みたことはあるとジャイアンツGMジェトルマン

2021年04月23日(金) 11:11

ニューヨーク・ジャイアンツGMのデイブ・ジェトルマン【AP Photo/Julio Cortez】

今週にさかんに取り上げられた話題の一つは、ある事実に端を発している。デイブ・ジェトルマンはNFLドラフトの1巡目で――いや、どのラウンドでも――トレードダウンしたことがない。

しかし、今週初めに『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが、そのジェトルマンがジェネラルマネジャー(GM)を務めるニューヨーク・ジャイアンツが全体11位から下がることを検討していると報じたのだ。ジェトルマンとしては大きな方針転向になる。NFLネットワークのダニエル・ジェレマイアは、ジェトルマンがトレードダウンするよりも先にNASCAR(一部を除いて左回りのオーバルコース)が右回りになるだろうと話していた。

チーム再建の中で2020年と2021年のフリーエージェンシーで注目に値する動きをとってきたジェトルマンには、来るドラフトでの指名権が6つしかない。ロンバルディトロフィーに挑む準備がまだ整っていないジャイアンツとしてはより多くの指名権がほしかったところだが、ジェトルマンが獲得したFA(フリーエージェント)選手はドラフトで獲得するルーキー6名以上の価値があるとする見方もある。

ジェトルマン自身は現地22日(木)にこう話した。

「このドラフトで持っている指名権の数は問題ない。何が起こるのか、皆さんには分からない。私はこの6つで満足している。それで問題ない」

確かに、傍目からは何が起こるのか分からない。それがドラフトでは大きな部分を占めており、わすか数本の電話で状況が大きく変わることもある。

ジェトルマンにしても、実はトレードを試したことがないわけではないようだ。

「君たちは信じないだろうね」と言うジェトルマンは過去のドラフトで取引を試みたと明かしつつ、「それなのにジェレマイアはすごいことを言ったものだ。D.Gがトレードバックするより先にNASCARが右回りになるとは。最高な言い回しだ。笑わせてもらったよ」と続けた。

「過去に試したことはある。率直に言って、トレードバックを試みた。だが、価値あるものでなくてはならない。巻き上げられるつもりはないんでね。私の方から断った。誰かが良くないトレードバックをしたいのであれば、神の御恵みあれ。われわれに機会はあった。試しはしたんだ」

「理解しなければならないのが、トレードをしたのに、時にそのチームが獲得するためにトレードアップした選手が、自分たちの前で指名されてしまうこともあるという点だ。そういうことがあった。“われわれはトレードした、トレード完了”。誰それに指名。“トレードはなしだ、デイブ。では”という具合だ。電話を切られてしまうのさ。そういうこともある。ほぼ都市伝説になりつつある。試したことはあるんだ。本当にね」

取引とはかくも気まぐれなものだ。すべてが合意に至ろうとしたところで霧散する。――少なくともジェトルマンが語るところでは。

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