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近い将来はロジャースが引き続きQBだとパッカーズGMギュートカンスト

2021年04月27日(火) 15:25

グリーンベイ・パッカーズのアーロン・ロジャース【AP Photo/Morry Gash】

グリーンベイ・パッカーズにおけるクオーターバック(QB)アーロン・ロジャースの状況は過去1年で多くの注目を集めてきた。しかし、たとえ2020年に1巡目で指名されたジョーダン・ラブがロースターにいるとしても、パッカーズは未来の殿堂入りQBとの別離を望んではいない。

パッカーズのジェネラルマネジャー(GM)であるブライアン・ギュートカンストはロジャースの現在の契約や、ロジャースがグリーンベイのプランのどこに位置しているかについて現地26日(月)に語り、ロジャース時代を続けていくというチームの信念を強調した。

「契約の細かい部分にまで触れるつもりはないが、アーロンがわれわれのQBだ。彼は今後しばらくの間、われわれのQBだ。これから2年間で私たちが達成しようとしていることにエキサイトしている。あなた方が話している契約で、われわれはそこに取り組んでいくつもりだ」とギュートカンストは話している。

ロジャースの契約には2021年より後のサラリーの保証はない。2022年にロジャースのキャップヒットは4,000万ドル(約43億3,000万円)近くを数え、この数字は2023年に2,830万ドル(約30億3,000万円)になる。その時点でロジャースは39歳で、同じ年の12月に40歳の誕生日を迎える。そうなれば、パッカーズがロジャースの物語に満ちたグリーンベイでのキャリアに幕を引き、ラブへと移行する可能性が十分にあるだろう。たとえ、ロジャースの方にその心構えができていなくても。

現時点で、この部分でパッカーズに懸念はない。パッカーズはランニングバック(RB)ジャマール・ウィリアムスやセンター(C)コリー・リンスリーがいなくなったことを除けば2020年と同じくらいの強さを備えたチームで、再びNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)の王座を懸けて争うだろう。そして、その挑戦で中心的な役割を担うのがロジャースだ。

もちろん、契約が確保されているのは良いことだ。しかし、忠誠心が未来に対するビジョンを曇らせることがあってはならない。いかに今が良くても、40歳を迎えるQBとぜいたくな契約を結ぶのは得策ではない。

とは言え、ロジャースの現行契約には興味深い点があり、それによって現MVPにとって2022年はほぼ保証された年になっている。ロジャースのキャップヒットは2021年の2,700万ドル(約29億2,000万円)から2022年には前述の通り3,985万ドル(約43億1,000万円)に上昇し、興味深くも危ぶまれる状況になる。パッカーズがロジャースとの別離を選んだ場合、1,700万ドルの負債を抱えることになるだろう。ただし、ロジャースを維持することにも、すでに財政的な圧迫感を抱えている2021年よりも多いコストがかかることになる。

ある看過できない点が、議論全体における救いになるかもしれない。2020年にパンデミックによる大打撃を受けた後、2022年にはサラリーキャップが上昇することが見込まれており、パッカーズの財政にも余裕が出てくる可能性がある。

ギュートカンストは月曜日に、キャップヒットの上昇はロジャースの2021年以降の契約状況を考える上で落胆的な要素にはならないと語っている。

「まったくそんなことはない。来年も今年と似たような状況になるだろうし、引き続きわれわれのチームのフィールドに資金を投下するべく努力していく。今年は皆を戻すために多くのことをしなければならなかったと思うし、それを再びやらなければならないだろう。だから、いかなる意味においても何も終わっていないし、アーロンを含む多くの選手についてこの部分で取り組み続けていく」

ロジャースとの契約調整に取り組むことで、パッカーズがこのオフシーズンに仕事を続けていく上での即時的なキャップスペースがいくらか開ける可能性があり、仮にキャップが予測通り上昇するとすれば、現在のキャップヒットの一部を今後のシーズンにまわすことは実現可能だ。当然、それはファンがスタジアムに戻ってくるかどうかによる。NFLコミッショナーのロジャー・グッデルはこのオフシーズンの初めに、この秋にはそれが実現すると見ていると述べていた。

今のところ、パッカーズはやり方を変えていない。しかし、内部での話し合いが財政面での変化につながるかもしれない。グリーンベイにロジャースが存在することがビジネスにとって間違いなく好材料であることは、パッカーズとグッデルの双方が認めるところだろう。

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