ドルフィンズQBタゴヴァイロアの努力を認めるHCフローレス
2021年05月11日(火) 13:25ヘッドコーチ(HC)のブライアン・フローレス率いるマイアミ・ドルフィンズは2020年に10勝を挙げ、12シーズンで2度目の2桁勝利を達成した。だが、その結果をもってしてもプレーオフには進めなかった。
フローレスHCは挫折を繰り返したくない。
ドルフィンズはジェネラルマネジャー(GM)クリス・グリアの働きもあり、2021年NFLドラフトでは最初の42人の中から有望株と目される4人の選手を指名し、強さを増しつつあるロースターをさらに補強することができた。ワイドレシーバー(WR)ジェイレン・ワドル、ディフェンシブエンド(DE)ジェイラン・フィリップス、セーフティ(S)ジェヴォン・ホランド、オフェンシブタックル(OT)リアム・エイシェンバーグの4人がその新たな顔ぶれとなる。
レシーバーとディフェンスのアップグレードを果たし、マイアミの期待は高まっている。何年もかけて再構築してきたロースターはAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)で戦う準備が整ったと言えよう。
とはいえ、まだ一つ大きな“もしも”がドルフィンズにはつきまとう。クオーターバック(QB)のトゥア・タゴヴァイロアだ。浮き沈みの激しい2020年を送った若きシグナルコーラーに対する期待は高まる一方だ。タゴヴァイロアが活躍しなければ、オペレーション全体が崩壊しかねない。
しかしながら、ドルフィンズの内部でそのような懸念はないようだ。
フローレスHCはタゴヴァイロアにすべての重荷を背負わせているわけではないと『Football Morning In America(フットボール・モーニング・イン・アメリカ)』のピーター・キングに話している。
「一人の選手にすべてを負わせるのは好きではない。このチームには若い選手がたくさいるから彼らに、いや、むしろ全員に対していろいろな部分で成長してもらいたいと思っている。全員が全力を尽くせば、プレーが良くなり、パフォーマンスも向上する。それを最も求められているトゥアは努力している。あらゆる兆候は、私の経験から言うと、彼は改善のために必要なことを全部やっていると思う。われわれが求めるのはそれに尽きる。私が言いたいのは、努力をしていれば結果は自ずとついてくるということだ」
昨シーズンはバイウイークの時点で4勝3敗だったにもかかわらず、フローレスHCは人気者のQBライアン・フィッツパトリックをベンチに下げ、タゴヴァイロアを先発に起用した。順調なスタートを切ったルーキーQBはその後に大きくつまずき、第4クオーターでベンチに下げられた試合は2回。チームは“フィッツマジック”に頼らざるを得なかった。
フローレスHCはタゴヴァイロアをベンチに下げた判断がこの若いQBの精神にどのような影響を与えるかは心配していない。
フローレスHCはキングに「去年の状況については何度も話し合った」と述べた。
「シーズンが始まった頃に先発していたのなら下げることはなかっただろう。彼を投入したのはプレーオフを争っていたタイミングだ。その時点(シーズン第16週のラスベガス・レイダース戦後半にライアン・フィッツパトリックに後を任せた時)では、とにかく勝つために手段を選んでいられなかった。それでも、私のトァウに対する自信は揺らいでいない」
今季は“フィッツマジック”の後ろ盾がない代わりに、タゴヴァイロアには頼れるロースターがいる。ドルフィンズはタゴヴァイロアがルーキーシーズンを象徴することになった不振を解消し、2年目には大きな飛躍を遂げることに賭けている。
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