ブリッジウォーターがQBロックのベストを引き出してくれると信じるブロンコスRBゴードン
2021年05月15日(土) 21:33デンバー・ブロンコスは2021年のNFLドラフトでクオーターバック(QB)の指名を避け、代わりにベテランのテディ・ブリッジウォーターをトレードで手に入れて、ドリュー・ロックと競わせることにした。
明らかな先発を入れないというこの決定は、QBの入れ替わりに終止符を打とうとするジェネラルマネジャー(GM)ジョン・エルウェイの最後のスイングが空振りではなかったことを証明するチャンスをロックに与えた。
ルーキーとして限られた練習の中で有望さを見せたロックだったが、2年目のシーズンは終始苦戦し、パスコンプリートはわずか57.3%、16回のタッチダウンで15回のインターセプトと、2020年のNFLでワーストタイの成績となってしまった。こうした統計以上に悪いのは、あまりにも遅い判断が多く、動きがぎこちなく、後ろ足に重心を置いて投げてしまうためにひどく正確性を欠いたことだ。
唯一の競争相手としてブリッジウォーターが入ったことで、ロックはもう一度、先発にふさわしいことを証明するチャンスを与えられた。
ブロンコスのリードランニングバック(RB)メルビン・ゴードンは、『NFL Total Access(NFLトータル・アクセス)』のポッドキャスト『The Locker Room(ザ・ロッカールーム)』で、マイケル・ロビンソンとブライアン・ボルディンガーに対し、24歳のQBにはもっと自信を持ってもらいたいと述べ、外部の批判に気を取られてはいけないと忠告した。
「俺はただ、もっと自信を持ったドリューが見たいだけなんだ」とゴードンは言う。「彼はすべきことをする傲慢(ごうまん)さを持っているはずだ。そのための才能を持っていると思う。自分に自信を持てばいいだけなんだ。なのに今の彼は自分自身に証明するんじゃなく、ファンやコーチのみんなに、“俺が一番だ”ってことを証明しようと躍起になっているのかもしれない。彼は戦っている。雑音が耳に入っちまっているんだ。そんなのは無視してるってみんな言うけど、聞こえてはいるんだ。はっきりとな。彼にも聞こえている。乗り越えるしかないよな。彼は傲慢さも、自信も、恐れのなさも持っている。チャンスに賭けて、挑戦することを恐れないはずだ」
ブロンコスはブリッジウォーターがロックの仕事を代わりに引き受けるか、あるいは少なくとも3年目の若手をもっと高いレベルへと押し上げてくれることを期待している。ここでまたロックがつまずけば、優秀なロースターに陣取るのはブリッジウォーターということになるだろう。
ブロンコスのヘッドコーチ(HC)ビック・ファンジオは現地14日(金)、『NFL Network(NFLネットワーク)』のジェームズ・パーマーに、キャンプではロックとブリッジウォーターがレップスを半分ずつ担当すると繰り返し、オフシーズン最初のスナップを誰が受けるかはコインを投げて決めるかもしれないと冗談を言った。
ロックは2019年に、QBルームでジョー・フラッコ、ブランドン・アレンと過ごした。昨年は、ジェフ・ドリスケルとブレット・リピンが一緒だった。これまで熟練した教師がいなかったことが、フィールド上でもリーダーシップの面でもロックの成長を妨げていたとゴードンは言う。
「もう一つ、彼にはフィリップ・リバースやトム・ブレイディのように前に立ち、全てを学べる人物がいなかったんだと思う。ゲームのこととかを本格的に学ぶ相手がな。だから、ずっと一人でやってきたようなもんさ」とゴードンは述べた。「何もかも自分一人でやらなきゃならなかったんだ。それがもう一つの理由。彼らがテディを連れてきて、彼のライバルにしたことによって、今度こそ彼のベストが引き出されると思う。俺たちは今までとは全然違うドリューを、別の面を見ることになるぜ。もうちょっと自信を持つようになる。すでにミーティングでそう感じているんだ。俺には分かる。話し方を見るだけで分かるさ。自信が感じられる」
「時にはそれが本当になるまで、“ふりをする”のも大事だよ。ものになるまでははったりをかましておけばいい。俺は前にもそう言ってやったことがあるんだ、ロッカールームでな。“お前さ、強く主張するのがあんまり得意じゃないんなら、ふりだけでもしてみせろよ”って言ってやった。“みんな見てるんだから。ふりをしてればいい。そしたらそのうち、本物になる。けど、それまではただのはったりでいいからやってみせろ”」
QBのポジションを除けば、いつでもプレーオフに行けそうなロースターを持っているブロンコスは、大至急ロックに“本物”になってもらわねばならない。そうでなければ彼は近いうちに仕事を失い、ブロンコスは来年、再びQB探しの難問と向き合うことになる。
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