唯一にして絶好の先発チャンスを手にしたカーディナルスRBエドモンズ
2021年05月24日(月) 11:33ランニングバック(RB)チェイス・エドモンズは3年にわたってアリゾナ・カーディナルスの筆頭バックアップRBだった。先発職はもう手に入らないものになりつつあるようだ。
このオフシーズンを通して、アリゾナの活動の中でバックフィールドは後回しにされている部分があった。フランチャイズタグをつけてから1年後にケンヤン・ドレイクを手放し、ピッツバーグ・スティーラーズから放出されたジェームズ・コナーと契約。2021年ドラフトでカーディナルスが指名した7人の中に、RBはいなかった。
その結果、25歳のエドモンズがデプスチャートの先頭に位置している。
チームの公式サイトによれば、エドモンズは先週に「これきりのチャンスだ」と語っている。
「ついに本当のチャンスがきた。このオフェンスでの本当に大きい役割が目の前にある。俺がNFLでの最初の3年間で欲しくてたまらなかった、ずっと祈ってきた役割だ。手に入らないかのように思えたけれど、やっとチャンスを手にいれた。それを最大限に活用しなきゃ」
「いまいましい壁を突破して走る準備はできている。自分自身を証明する準備は十分さ。人はどれだけひどいことか理解していない。人にはいろいろ言われてきたし、ああだこうだ言われて、(伏せ字)、だけど、俺は全然気にしてこなかった。今年は出て行ってボールを運んでやる」
カーディナルスは確かにエドモンズを頼りにしている。全体16位指名権を有していたカーディナルスは、その機会にアラバマ大学のナージー・ハリスではなくラインバッカー(LB)ゼイベン・コリンズを選択。それがおそらく、ヘッドコーチ(HC)クリフ・キングスベリーの攻撃陣でキャリー平均4.8ヤードを記録したエドモンズに対する支持を最も表している部分かもしれない。問題は、どの程度の仕事量を担うことになるかだ。
エドモンズがキャリー11回以上を記録した試合は2試合しかない。2019年のニューヨーク・ジャイアンツ戦ではキャリー27回でキャリアハイの126ヤード、タッチダウン4回をマークした。しかし、その1週間後に負傷している。昨年は2試合に先発したうちの片方にあたるマイアミ・ドルフィンズ戦でキャリー25回、70ヤードを記録。こういった記録の物足りなさが、すべてのダウンに起用されるバックとしての出場可能性に疑念を抱かせていた。
身長約175cm、体重約95kgのエドモンズは、2018年ドラフトの4巡目でNFL入りした。そんなエドモンズにとって、こういった疑念はこれまでに聞いたことのあるものだった。
「俺の体格に対する疑問や、俺の小ささや、“彼はフルで負荷をかけるとけがするぞ”とか“フルで負荷をかけられるといつもの力を発揮できない”みたいな話があるのは知っている。そういうのは全部読んださ」
「俺はみんなが思う20キャリーの選手じゃないかもしれない。RBが全員、20キャリーの選手なわけじゃない。でも、俺は自分がタッチ20回のできる選手だと信じている。それがキャリー15回とキャッチ5回なのか、キャリー16回とキャッチ4回なのかは別としてだ。一人のプレーヤーにボールをそれなりの時間与えるには独特なやり方がいくつかあると思う。それは必ずしもひたすら中央を走りぬくデリック・ヘンリーやニック・チャッブでなくてもいい。俺がそういうタイプの選手じゃないと思っているやつらは、それはそれで彼らの意見だ。だが、俺は自分が1試合でタッチ20回をこなせば、スペシャルなことができると思っている」
それができれば、カーディナルスの多角的な攻撃陣に新たな次元が加わることになる。カイラー・マレーはラマー・ジャクソンに次ぐランニングQB(クオーターバック)としての立場を急速に確立した。コナーはショートヤーデージの状況やレッドゾーンでの勝ち方を知っている選手だ。コナーもエドモンズも昨年はキャッチ53回を記録しており、パスゲームにも貢献できる。
ここ数年のカーディナルスに欠けていたのは、シーズンを通じて堅実な生産性を発揮するリードバックの存在だ。出番を待っていたエドモンズが、それを満たせるかもしれない。
【A】