NFLがCOVID-19プロトコルを更新、ワクチン接種済みの選手はパンデミック前の通常の状態へ
2021年05月27日(木) 07:52NFLは現地26日(水)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンを完全に接種した選手に対するプロトコルを大幅に変更すると発表した。これにより、ワクチンを接種した選手はパンデミック前の通常の状態で仕事に戻れることになるが、その一方でワクチンを接種していない選手はパンデミックへの対策として2020年シーズン中に設けられた制限を継続しなければならない。
今週、NFL選手会(NFLPA)との間で合意に至った新しいプロトコルは26日に実施されたバーチャルミーティングでオーナーらに報告された。ワクチンの完全接種を終えた選手は日毎の検査を受ける必要も、チーム施設でマスクを着用する必要もなく、COVID-19陽性者の濃厚接触者に認定されても隔離されることはなく、移動制限もなければチームのカフェテリアでの食事、サウナやスチームルームを利用することも可能になる。加えて、ウエイトルームの定員制限もなく、訪問先でのワクチンを接種した家族や友人との交流も認められる。
ただし、ワクチンを接種していない選手は日毎の検査、チーム施設内でのマスク着用、物理的な距離の取り方、感染後の隔離、訪問先での家族や友人との交流制限、カフェテリアでの食事およびサウナやスチームルームの利用ができないなどの制限があるほか、ウエイトルームの利用者数も限られる。
今回の新しいプロトコルはワクチン接種率の上昇に伴い、アメリカ全土の感染率が大きく減少している状況を受けたもの。しかしながら、先ごろにはバッファロー・ビルズのショーン・マクダーモットHC(ヘッドコーチ)が懸念を明かしたように、ワクチン接種に消極的な選手がいる場合の懸念がある。NFLはワクチン接種を義務付けておらず、選手会と協力して選手にワクチン接種を奨励する教育とインセンティブに重きを置いている。
新たなプロトコルが導入されればチームは再び通常通りに集まることが可能となる。しかし、新プロトコルにおける最大のインセンティブはワクチン接種した選手がCOVID-19に感染した人と接触しても隔離の対象にならない点だろう。つまり、ワクチンを接種している選手は練習や試合を休まずにすむが、ワクチンを接種していない選手は欠席・欠場しなければならない。選手、とりわけ活動の場を探す選手にとっては、試合に出られるかどうかが重要になってくる。
NFLコミッショナーのロジャー・グッデルは報道陣を迎えたカンファレンスコールで、32チーム中30チームは第1層および第2層の関係者(コーチ陣およびスタッフ)の90%以上がワクチンを接種しており、残る2チームも85%以上が接種を受けていると明かした。NFLはこれまで選手と接触する業務にあたる職員にはワクチンを接種しなければならないと各チームに伝えており、グッデルは水曜日にも、NFLはスタッフ間でのワクチン接種数が増加することを期待していると述べている。一方で、グッデルは選手のワクチン接種率に関する直接的な質問には答えていない。
「われわれはすべての選手と職員がワクチンを接種した方がより安全だと考えている。そう考えない医療従事者は1人も知らない」とグッデルは話している。
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