ドルフィンズQBタゴヴァイロア、ケガを乗り越え自信を持って2年目に臨む
2021年05月27日(木) 16:36クオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアはトップ5に指名された選手に特有の期待を背負ってマイアミ・ドルフィンズに入団するも、短縮されたルーキーシーズンでそれに応えることはできなかった。
もちろん、それはタゴヴァイロアだけの責任ではない。
まず、タゴヴァイロアは当時、手術と過酷なリハビリを必要とする股関節の大きなケガを負っており、2020年のシーズン開始に間に合わせるだけで精一杯だった。さらに、夏のトレーニングキャンプでチームメイトと合流するまでの間、NFLのプレーブックをほとんど自宅で読み込み、身につけることを余儀なくされた。
後者はパフォーマンスに影響し、現地26日(水)にタゴヴァイロアは「プレーブックをちゃんと理解していたとは言えない」と認めた。
タゴヴァイロアは「去年は俺にとって全体的に自信のない年だった」と話している。「プレーをコールするにも自信がなかった。去年のメンバーは驚異的だったと思うよ。ただ、俺はプレーをチェックしたり、仲間を警告したりすることに抵抗があった。うまくいかないと分かっていながらもプレーを続けていたところがある。なんとかしようとは思っていた」
「今年はかなりの戦力だ。ただ、それを活かさないと意味がない。自分を守ることができればあとは彼らに託してプレーを展開してもらえばいい。それで十分なんだ」
健康に関しては、特に筋力アップによって身体の感じ方が変わり、ボールを投げる時に身体のどの部分に負荷がかかっているかが分かるようになったとタゴヴァイロアは話している。その結果、筋力とコンディショニングのプロセスは大きく変化し、股関節が良くなったことによって「今年はだいぶ違った感じがする」とつけ加えた。
「股関節を支えるための大臀筋(だいでんきん)に焦点を当てたんだ」とタゴヴァイロアは説明している。「股関節の調子は去年の10倍くらい良いよ。2年前のケガから復帰して2シーズン目を迎えるにあたって、自信を持って臨める」
自信を持つことが重要なのは言うまでもないが、フットボールにおいてQBほどそれを必要としているポジションはない。QBは自分の仕事をこなすだけでなく、オフェンス全体が各プレーを実行するために適切なポジションを確保できているようにする必要がある。2年目の今シーズンはオフェンスへの理解が深まり、股関節も強くなったことでタゴヴァイロアがこれ以上過去を振り返ることない。
「去年のことはそのまま受け止める。それが俺のルーキーイヤーだ。自分が思っていたような形ではなかった。だからこそ、次のシーズンはチームに貢献できるようにこのオフシーズンは一生懸命にやってきた」とタゴヴァイロアは語った。
チームメイトのタイトエンド(TE)マイク・ガシキは、水曜日に堂々とタゴヴァイロアを支持した。本人が話す直前に「彼は9試合でプレーして、いい仕事をしてくれた」と記者たちにコメントし、次のように続けた。
「彼はこれまでも逆境を乗り越えている。大学時代も含めて重要な試合でプレーしてきた。彼は大事なことや有意義な意見に集中していく。ロッカールームのメンバーは皆、彼を信じているし尊敬している」
とりわけ昨年のドラフトでタゴヴァイロアの直後に選ばれたQB――ロサンゼルス・チャージャーズのジャスティン・ハーバート――がAP通信オフェンス部門年間最優秀新人賞を受賞したのを見て、ドルフィンズのファンはタゴヴァイロアへの批判に怒りを覚えた。しかし、キャリアというのは1シーズンで決まるものではなく、タゴヴァイロアのコメントが示すように、最高の瞬間はまだこれからだ。
もしそれが本当なら、タゴヴァイロアがドラフト指名とともに背負った期待に応えるのは時間の問題だろう。ガシキに言わせれば、タゴヴァイロアはすでにその道を歩んでいる。
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