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コルツのQBとなったウェンツ、「俺のチームに作り替えるわけじゃない」

2021年05月27日(木) 20:10

フィラデルフィア・イーグルスのカーソン・ウェンツ【AP Photo/Matt Ludtke】

カーソン・ウェンツはまだインディアナポリス・コルツでダウンをプレーしていない。彼はまた、チャンピオンシップに必要なミッシングピースとしても捉えられている。

ベテランスターターはキャリアワーストのシーズンを経験したばかりだ。ベストは、フランク・ライクの下でプレーした最後の年となった2017年で、当時フィラデルフィア・イーグルスで攻撃コーディネーター(OC)だったライクは今や彼のヘッドコーチ(HC)となった。

そうした並置は、問題を抱えたクオーターバック(QB)をインディアナポリスで有望、あるいは不安的なポジションに置くかもしれない。傲慢(ごうまん)なディーバとささやかれてイーグルスを離れたウェンツは、新しいロッカールームでコルツを自分のチームに作り替えるつもりはないと主張している。

「それは大げさだよ」と彼は現地26日(水)、記者団に述べた。「1つには、フランクがトーンを決める。ライクコーチがトーンを決めるんだ。ボールの両サイドで多くの素晴らしいリーダーシップがあるのをすでに見た。俺にとっては、自分のチームに作り替えるつもりなんて毛頭ない。俺がどうフィットできるかなんだ。どうやって俺がそこに加わり、オフェンス内や違う部分で微妙な調整をして、ファミリーのようになり、本当のチームになって、一緒になってやっていくかなんだ。この2週間、それは見ていて楽しかったよ。どうやってみんなが1つになり、異なる個性、異なる背景、異なるピースがまとまっていくのかを見ていた」

決して、2月にコルツの一員となってからウェンツがシャイだったわけではない。ライクによると28歳のウェンツはフィールド上とミーティングでは率直に発言し、準備の良さとオフェンスへの優れたコマンドを示しているという。まだ用語を学んでいる段階ではあるものの、それはウェンツが概念的に慣れ親しんでいるものだ。6年目のQBは移行について、新しい言語を話そうとするようなものだと表現した。しかし、HCは彼の自己主張を評価する。

「QBのリーダーシップは極めて重要だ」とライクは述べた。「われわれのロッカールームは本当に強いリーダーでいっぱいだ。ここには本当に強いリーダーたちがいる。独自の方法で、QBは自分を感じてもらわねばならない。カーソンはすでにそれをしている。ここでの2週間、『Zoom(ズーム)』でのミーティングでもそうだが、特にこの2週間だ。私はカーソンがチーム内で存在感を示したのを感じているし、チームは彼のリーダーシップを受け入れた」

それは3カ月のプロセスだった。元全体2位指名でプロボウラーのウェンツを歓迎するとライクは言い、あまりやり過ぎずに自分の役目を果たすことの必要性を強調した。2020年のパフォーマンスはその正反対だった。ウェンツは50回のサックを浴び、15回のインターセプトを喫した。ベンチに下げられるまでたった12試合しかプレーしていないにもかかわらず、どちらもリーグ最多だ。それは確かに目の覚めるような経験だった。

自身も元QBであるライクは、転地がウェンツに内省と再スタートに必要なスペースを与えたと述べた。その最初の見返りはポジティブだった。

「これ以上ないほど良い態度だ」とライクは言う。「あのような1年の後だからね、彼個人も、チーム――イーグルスも、ハードな1年だっただろう。屈辱などというのは味わいたくないものだが、プラスにはなる。彼にとって、“リセットボタンを押そう。ここでフレッシュなスタートを切るんだ”と認識するチャンスだ。彼の態度はこの上ない。彼は素晴らしいチームプレーヤーだ。正しい態度を示し、自分の役割を果たしたいと思っている。きっとそうしてくれると信じているよ。今年は素晴らしい年になるだろうし、このチームにとって偉大なリーダー、偉大な選手になってくれるだろう」

そうなればお互いにウィンウィンのシチュエーションだ。

【M】