オフシーズンの動きへの疑念を気にしないレイダースHCグルーデン
2021年06月17日(木) 13:07ラスベガス・レイダースのヘッドコーチ(HC)ジョン・グルーデンは報道業界にいた頃の同僚や批判家たちが、このオフシーズンの最新の動きをどう判断しているか知っている。
ケンヤン・ドレイクとの契約から、ベテランオフェンシブラインマン(OL)のトレード、ドラフト1巡目でOLアレックス・レザーウッドを指名したことまで、レイダースはNFL界を驚かす動きを見せてきた。
グルーデンは周囲の反応を承知している。そして、それを少しでも気にかけてはいけないことも。
レイダースでの4年目を迎えたグルーデンは、現地16日(水)に行われたミニキャンプのセッションで、今のロースターはこれまででベストだと思うか問われた。
「それはキャンプになるまで待たなければ」とグルーデンは応じている。
「もちろん、机上では気に入っている。われわれが行ってきたいくつかの変化は、他の人の目から見れば疑問を感じるようなものなんだろうね。だが、われわれは若くなり、速くなっている。デプスが深まったと思っている。フル装備ですべてを全力でやるのを見ない限り、その質問に今答えるのは厳しい」
攻撃陣については、レイダースは足の速いワイドアウトであるジョン・ブラウンや、ポゼッションレシーバーであるウイリー・スニードと契約。ドレイクと契約したことで、ジョシュ・ジェイコブスに次ぐ2番手を見い出すことに苦労していたバックフィールドにデュアルスレットのデプスが加わった。レイダースはベテランの核を解体して若い(そして対価の低い)オフェンシブラインを形成するという懸けに出ている。
ライトタックル(RT)として先発すると見られるレザーウッドは、Oライン再生のカギとなっている。多くのスカウト――『NFL Network(NFLネットワーク)』のダニエル・ジェレマイアを含む――がレザーウッドを1巡目指名選手とは見ていなかった。しかし、レイダースはそういった周囲の見方を意に介していない。
グルーデンHCはレザーウッドについてこう熱弁した。
「彼は非常にスマートだ。運動能力もとても高い。リーチが長く、才能ある選手だ。だからこそ彼をとった。われわれの中で彼を高く位置づけていたし、うちで獲得できてうれしい。彼がわれわれの順番のときにいてくれてうれしい。スマートで実にアスレチックだ。彼には多くの経験もある。ゆえに、われわれは彼を先発RTとして考えている」
2020年のレイダース最大の弱点は守備陣だった。新守備コーディネーター(DC)ガス・ブラッドリーの下でも、まだ疑問符は残っている。守備側に多くの資産をつぎ込んだレイダースは、パスラッシャーのヤニック・エンガーコエを加え、ドラフト2巡目でディフェンシブバック(DB)トレボン・モーリグを指名。最終的に立て直すには、セカンダリーにいるかつてのドラフト上位指名選手たちから多くの生産性を引き出すことが重要になる。
より若く、スピードのあるチームになってもグルーデン指揮下で4年連続でポストシーズン進出を逃したとすれば、ファンたちの忍耐力も限界を迎えるかもしれない。グルーデンは“期待が高まっている”ことを承知しているという。
「われわれはAFC西地区で戦えることを証明した」とグルーデンは言う。
「われわれはアウェーで勝てることを証明した。今、われわれはもっと高いレベルで勝てることを証明しなければならない」
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