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QBブレイディ、ここまで来るとモチベーションは「自分自身への証明」

2021年06月24日(木) 23:26

タンパベイ・バッカニアーズのトム・ブレイディ【AP Photo/Chris O'Meara】

トム・ブレイディは、2000年のNFLドラフトで全体199位、クオーターバック(QB)では7番目に指名されたことで有名だ。そうした事実は最も偉大なQBのモチベーションアップにつながり、7度のスーパーボウル制覇へと彼を押し上げた。

44歳の誕生日が近づくブレイディは、ジェームズ・コーデンの『The Late Late Show(ザ・レイト・レイト・ショー)』に出演し、自分の半分の年齢のチームメイトたちと今も試合で突き進むモチベーションは、ここまで来ると外部的なものよりも内部に向けたものだと述べた。

「まだやれると自分が感じていて、やりたいと思えるものから離れるのは難しい」とブレイディは言う。「だから、他人に自分の力を証明することが目的じゃないんだ。それよりも自分自身に証明する感じだね。僕は今年44歳になるけど、44歳でできることを自分に証明するチャンスがあると感じている。この年でもできるぐらいの努力はしてきたからね」

心理学者のまねごとをするなら、ブレイディのアスリート的答えは、そもそも外因的な部分でのモチベーションが内面の炎を燃え上がらせたということなのだろう。20年以上も“見返してやる”という思いで石炭をくべ続けてきたのだから、いまさらそのエンジンを止めることはほとんど不可能に近い。ブレイディが自分のゴールを内面的なものだと考えているということは、そうした燃料がいかに彼の人格全体に浸透したかを強調している。ブレイディの焦点が外部より内部に向いているというのは偽りではないだろう。それは現実の一部分に過ぎないだけだ――人間にはコンパートメント化する生来の能力がある。

ベテランになっても厳しい世界で仕事を続ける理由を聞いたコーデンは彼に、自分がG.O.A.T.(史上最強)であることについてどのくらい考えるかと質問した。

「考えない」とブレイディは答えた。

「本当に?」とコーデンは問う。「一度も考えたことがない? 僕は今いるこの世界で一番だって」

「それは、ステーキ、フィッシュ、チキンでどれが一番好き? って聞くようなものだよ」とブレイディ。

「ステーキだね」とコーデンは言って2人は笑い、話はそこで終わった。

ブレイディはこの地球上で最もマニックな競争者だ。恵まれた身体能力を持った彼はそれに突き動かされ、6巡目指名からG.O.A.T.のステータスを得るまでになった。当然、彼にも過去や現在のQBと自分を比較して考えることもあるだろう。それが人間というものだ。そして、彼がそれを世界と共有したくないと考えたとしても、全く問題ない。

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