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QBロスリスバーガーは力を証明したくてうずうずしていると元HCカウアー

2021年07月14日(水) 14:01


ピッツバーグ・スティーラーズのベン・ロスリスバーガー【AP Photo/Keith Srakocic】

2021年はピッツバーグ・スティーラーズのファンにとって多くの理由から重要な年になっている。その中で主だった要素として、来るシーズンでの成功のチャンスはいかほどか、そして、彼らのベテランクオーターバック(QB)がいかにそこに影響するかがある。

プレーオフでクリーブランド・ブラウンズに驚きの敗北を喫した痛みは、まだピッツバーグ内に感じることができる。たとえ、その原因の一部に灰色の空があるとしても。もちろん、スティーラーズは2021年にリベンジのチャンスがあると主張できるし、そういった意味での満足を得ることもできるだろう。それでもなお、陽光が降り注ぐのを妨げる大きな不確実性がある。

QBベン・ロスリスバーガーはNFLで最後になるかもしれないシーズンを迎えている。ロスリスバーガーとスティーラーズはチームがQBをあと1年キープすることを可能にする合意に至った。しかし、それ以降については何も保証されていない。ジェネラルマネジャー(GM)ケビン・コルバートについても同じことが言える。

もしラストダンスの雰囲気を感じ取っているのなら、そう感じているのはあなただけではない。

重要なシーズンの開幕を控え、スティーラーズの2人の元選手と1人のコーチが来月にカントンに迎えられようとしている。そのコーチである第40回スーパーボウルウイナーであるビル・カウアーは、8月の殿堂入りを前にしたメディア対応の場で、ロスリスバーガーと共に過ごした時間や今の状況について質問された。

ロスリスバーガーのキャリアについてカウアーがまず取り上げたのは、勝利への渇望だ。カウアーはそれこそがロスリスバーガーを2021年に大きな業績へと導くと考えている。

「彼は最高のコンペティターだ」とカウアーは言う。

「誰もが彼は終わったと、スティーラーズは終わったと考える中で、彼はまさに今も目標に向かって進んでいると確信している。いつも人には言ってきたのだが、スポーツで最も偉大なのは、誰もができないと思うことをやることだ。それは最も素晴らしい業績の一つ。今この瞬間にもベンはそこに向かって進んでいると思う。そこへ出ていくのが待ちきれないだろうし、おそらく、力を証明したくてうずうずしているだろう」

「彼が今年、素晴らしい年を過ごさなかったとしたら私にとってはかなりの驚きだ。そこはタフなディビジョンで、彼は殿堂級の選手であり、投票で1位になるはず。そのことに疑いはない。彼は2度のスーパーボウル制覇を遂げ、そこに3度出場し、今も素晴らしい情熱と競争心をもってプレーし続けている。それを今年見ることになるはずだ」

スティーラーズはロスリスバーガーを2004年のドラフト1巡目で指名し、最初はベテランのトミー・マドックスの後ろで学ばせた。ところが、マドックスが複数のけがを負い、チームはルーキーイヤーの序盤4分の1が終わらない段階からロスリスバーガーを先発ラインアップに加えざるを得ない状況となる。

ロスリスバーガーは初めての先発から14連勝を飾り、ピッツバーグをスーパーボウルの射程内に導くという活躍によってチームの決断に応えた。

そのロスリスバーガーは今の姿とは違っている。かつてはアスレチックで驚くほどモバイルなパサーだったロスリスバーガーだが、成長するにしたがってポケット内のタワー的存在になっていった。昨年は終盤にスティーラーズ攻撃陣が足並みを乱すまで、ファンの目の前で進化しつつ開幕から12連勝を決めている。

ディビジョンチャンピオンとしてプレーオフ進出を果たしたスティーラーズだが、ロスリスバーガーはブラウンズ戦の悪夢のような前半で、この試合で喫したインターセプトの4回中3回をくらう。試合をひっくり返そうとの必死の努力はもう少しで実りそうだったが、最終的にフットボールファンに残されたイメージは、ロスリスバーガーがヘルメットをつけたままベンチに座り、ぼんやりとハインツ・フィールドの照明を見上げている姿だ。

NFLが目にした最後のロスリスバーガーの姿がそれだったのではないかと思った人間は少なくない。しかし、そんなことはなかった。

ロスリスバーガーはもう1シーズン戻ってくる。その皮切りとなるのがダラス・カウボーイズと対戦するホール・オブ・フェイムゲームで、おそらくベテランのロスリスバーガーはサイドラインで様子を見守ることになるだろう。しかし、2004年に始めたことを再び続けるまで、そう長くはかからないはずだ。実際にこれが最後の旅になるとしても、少なくともかつてのコーチの一人は、ロスリスバーガーが大成功のシーズンを送っても驚きはしない。

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