MCLを断裂した状態でバッカニアーズをスーパーボウルに導いたQBブレイディ
2021年07月16日(金) 08:45史上最高のクオーターバック(QB)はけがをものともしないプレー――少なくとも、妨げる者がいないと分かるまでは――に関しても、史上最高の選手かもしれない。
これまで軽度の負傷であり、“クリーンアップ”のための手術で問題はなくなったとされていたトム・ブレイディのひざは、実際には本人が周囲に信じさせていたよりも深刻なものだったようだ。2020年にチームをスーパーボウル制覇に導いたタンパベイ・バッカニアーズのQBであるブレイディは、MCL(内側側副靭帯/ないそくそくふくじんたい)を完全に断裂した状態で戦っていたという。『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが状況を知る人物の話を元に伝えた。
最初にこの件について報じたのは『The Tampa Bay Times(タンパベイ・タイムズ)』のリック・ストラウドだった。
深刻なけがを抱えていたにもかかわらず、ブレイディはレギュラーシーズンに4,633パスヤード、パス成功率65.7%をマークし、タッチダウン対インターセプトは40対12となっている。膝の装具と共に臨んだプレーオフではさらに1,061ヤードとタッチダウン10回、インターセプト3回を記録し、第55回スーパーボウルでディフェンディングチャンピオンのカンザスシティ・チーフスを破っている。
負傷がシーズンの大部分に影響したブレイディは、チーフスとの決戦を終えてからほどなくして手術を受けた。その後もなおバッカニアーズはできる限り周囲の懸念を抑えようとしており、ヘッドコーチ(HC)のブルース・エリアンスは報道陣にこの手術は重大なものではなかったとコメント。ブレイディも手術後のあらゆるメディア対応でポジティブな姿勢を保っていた。
この手術が自分やバッカニアーズが周囲に話してきたよりも深刻なものだったとブレイディが明かしたのは、5月に入ってからだ。ブレイディは『Hodinkee(ホディンキー)』のポッドキャストで、シーズンを通して常にけがに配慮する必要があり、手術は“かなり深刻”なものだったと話している。
手術の後に回復し、リハビリを行ったブレイディは、ミニキャンプでフィールドに立っており、トレーニングキャンプには最初からフル参加すると見られている。
その厳しい食習慣や思考の柔軟性以外で、われわれはブレイディから新たな教訓を得た。個人に関するビジネスは多くの場合、組織内にとどめるのが最善だ。そして、43歳のブレイディは、やはりタフな男だった。
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