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足首の手術を受けたセインツWRマイケル・トーマス、シーズン開幕を欠場へ

2021年07月24日(土) 22:36

ニューオーリンズ・セインツのマイケル・トーマス【Logan Bowles via AP】

2021年シーズンに向けて進む中、ニューオーリンズ・セインツの新時代は大きなスピードバンプに衝突した。

現地24日(金)、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートは、スターワイドレシーバー(WR)のマイケル・トーマスが6月に足首の靱帯(じんたい)を修復する手術を受け、シーズンの開幕を欠場することになるだろうとの情報を伝えた。

回復までのおおまかな見通しは4カ月とのことで、トーマスはシーズン開幕から数週間はサイドラインにとどまるかもしれないとラポポートは付け加えている。セインツのバイウイークはグリーンベイ・パッカーズ、カロライナ・パンサーズ、ニューイングランド・ペイトリオッツ、ニューヨーク・ジャイアンツ、ワシントン・フットボール・チームと対戦した後の第6週だ。

ポスト・ドリュー・ブリーズ時代に入るセインツのオフェンスは、ジェイミス・ウィンストンとテイサム・ヒルのどちらが先発QBバトルで勝っても、後退は避けられないだろうと予想されていた。トーマスのけがは、さらにその仕事を難しくする。

過去2年のドラフトはいずれもハイエンドのレシーバーが豊作だったが、セインツはそのポジションにあまり資産を投じず、2021年の7巡目で指名したカワーン・ベイカーが指名した唯一のWRだ。加えて、エマニュエル・サンダースを放出したにもかかわらず、サラリーキャップに縛られたセインツはフリーエージェンシーでもポジションの補強をしなかった。

トーマスが2021年の開幕に間に合わないとなると、セインツに今いるレシーバー陣のトップはトレクアン・スミス、マーキス・キャラウェイ、ディオンテ・ハリスとなる。長年トーマスに頼り切ってきたセインツはリーグで最も薄いワイドアウトでシーズンをスタートしなければならない。

トーマスの知らせを受けて、ここ最近セインツはフリーエージェントのWRをチェックしていたとNFLネットワークのマイク・ガラフォロが伝えている。数日中に何らかの動きがあるかもしれない。

このニュースはまた、QBバトルにも影響を与える可能性がある。ヘッドコーチ(HC)ショーン・ペイトンはランニングQBのヒルを先発に選び、グラウンド重視のオフェンスを採用するかもしれない。理論上、トーマスの不在はウィンストンのようなポケットパサーの操るオフェンスにより大きな影響を与えると考えられる。セインツのトレーニングキャンプは7月27日(火)開始の予定で、これがペイトンの計画にどう影響するかが気になるところだ。

いずれにしてもトーマスが開幕に出られないということは、争いに勝利したQBにとって痛手となる。ポスト・ブリーズ時代の門出としては、何とも困難なスタートだ。

1月の段階で、トーマスが足首の上部と下部で2カ所の手術を受ける見通しであることは報じられていた。プロボウル選出のワイドアウトは足首のけがと懲戒処分のため、2020年に9試合を欠場した。レギュラーシーズン最後の3週は故障者リスト(IR)に置かれ、プレーオフの2試合で復帰した。

けがは第1週に負ったもので、それが昨シーズン全体に影を落としたことになる。けがを押してプレーした彼は7試合の出場で40回のキャッチ、438ヤード、タッチダウンは0というキャリア最低の成績に終わった。

2018年と2019年に連続でオールプロのファーストチーム入りを果たしたトーマスはキャッチマシンのように働き、レシーブで2年連続リーグのトップに立った。9,625万ドル(約106億4,100万円)で5年間の契約延長にサインした後、彼は2019年に1シーズンのNFL最多レシーブ記録(149回)を達成している。

ブリーズのメインターゲットとしてトーマスはスラントの達人ぶりを見せた。2年にわたり、ブリーズからトーマスへのスラントパスは、特にサードダウンにおいて誰にも阻止できないプレーとなった。だが、昨シーズンは足首のけがによって、その武器も有効性を欠いた。

2020年はトーマスのキャリアで最低値となり、1,000ヤードの大台に乗らなかったのはこれが初めてだった。2021年の開幕を逃すということになれば、彼は2シーズン続けてけがのために標準以下のリザルトに終わる可能性もある。

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