復帰については言及せずとも膝は「いい感じ」とブラウンズWRベッカム
2021年07月26日(月) 14:55クリーブランド・ブラウンズのワイドレシーバー(WR)オデル・ベッカムはここ数年、長いリハビリもしくはチームの大々的な宣伝の中でトレーニングキャンプに臨んできた。この夏、その両方の状況に迫られた彼はこれまでとは少し違う視点を持っているようだ。
ダイナミックなプレーが持ち味のベッカムはいま、長期的な展望に集中している。
自身の健康状態に関してはキャンプでフルに参加できないことや、開幕戦に出場できないこともあり得ると言う。
『Cleveland.com』のメアリー・ケイ・カボットによれば、現地25日(日)に自らが主催するユースフットボールキャンプの場でベッカムは次のように記者たちに話していたとのことだ。
「現時点で俺たちはやれることをやっている。これまでは復帰することにばかり囚われていた気がするけど、いまは違う。俺がフィールドに出る準備ができたら、いつでもそうする。チーム、ドクター、俺のチームが、すべてがクリアされたと認めれば、その時にプレーする。それが第1週になるのか、第17週なのかは俺には分からない。ただ、準備ができた時がその時だ」
3度のプロボウラーである彼は過去に自分のエゴのせいで早々に復帰し、結果的にパフォーマンスを低下させたことがあるとつけ加えた。ベッカムは昨年10月にACL(前十字靱帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂し、キャリアで2度目のシーズン終了となるケガを負ってからは、これまでとは異なるアプローチを取っていると主張している。先月のミニキャンプに軽く参加した際には、チームメイトのWRジャービス・ランドリーから絶賛された。
ベッカムは、ここまで回復できたことが大きな励みになっていると認めつつ、膝の経過については口を濁した。
「すべていい感じだよ。ケガから8カ月半か9カ月くらい経った今の時点としては、すべての部分で順調だ。早く戻ってもっとフットボールができるようになりたい。こういう形のオフシーズンでトレーニングする時は必ず理学療法に長い時間をかけないといけない。それがかなり負担になってくるんだ。それでも練習に戻ってチームメイトと合流できてうれしい」
8年目のベテランであるベッカムの口ぶりは、まるで個人的な目標よりもチームの目標を重視しているかのようだ。今回のリハビリではスーパーボウル優勝が一番の原動力になったと話した。
「それが一番だ。唯一の理由だよ。すべてはあのリングを手に入れるためだ」とベッカムは述べている。
以前のオフシーズンと同じように、今回もベッカムはブラウンズにはもういたくないのではないかとうわさされていた。ところが、ベッカムがクオーターバック(QB)ベイカー・メイフィールドと会っていたことにより、その話は完全に消えた。この2人の間には複雑な歴史があり、チームメイトとして過ごしてきた2シーズンで、若きQBはスターWRがいない方が不思議とパフォーマンスが良かった。
ブラウンズが昨年の冬に自分なしで成功したことによって、ベッカムはチーム全体としての将来への自信を深めたようだ。
「俺は理由があって戻って来たんだ。俺たちには特別な機会があると思っている。オースティンでベイカーと一緒に過ごして、その後も何度か彼と会ったりしていた。そういうところがこのチームの特別なところだと感じている。当初このチームに来た時にも言ったように、俺はニューイングランド・ペイトリオッツのようなチームにしたいと思っている。スーパーボウルを制覇できるチームに。去年のブラウンズを見ていて一番心を痛めたのは、カンザスシティ・チーフスとの試合だ。俺が一つでもプレーを決めたり、とにかく何かチームが勝つためにできたはずだって感じたんだ」
「このチームに何か特別なことが起きているのは間違いない。この街が特別なのかもしれない。タンパベイ・バッカニアーズが優勝したのはさらに刺激になった。ブラウンズもチャンピオンシップのタイトルを必要としているんだ。それがこの組織全体の目標であり、メンタリティであり、俺はその一部になりたいと思っている」
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