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パッカーズとQBロジャースが2021年の復帰に向けた再契約交渉の最終段階へ

2021年07月27日(火) 06:34

グリーンベイ・パッカーズのアーロン・ロジャース【AP Photo/Matt Ludtke】

長期にわたるオフシーズンのこう着状態を経て、アーロン・ロジャースのグリーンベイ・パッカーズ再合流が近づいていることが分かった。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地26日(月)に情報筋の話として伝えたところによると、ロジャースとパッカーズが再契約に向けて最終段階に入っているという。ロジャースは新契約において自らの将来に関する重要な発言権を求めていたが、ラポポートは2022年と2023年にはエースクオーターバック(QB)のロジャースが発言権を得ることになりそうだと報じている。

パッカーズは火曜日にトレーニングキャンプを開始することになっており、その前日の26日が、ロジャースとパッカーズが意見の相違を乗り越えて合意に達するための期限のような役割を果たしていた。そして、その通りになりそうだ。

ラポポートによれば、ロジャースは月曜日の早い段階で親しい人々に今シーズンもパッカーズでプレーする意向を示したとのこと。このニュースはパッカーズの年次株主総会でジェネラルマネジャー(GM)を務めるブライアン・ギュートカンストと球団社長兼CEOのマーク・マーフィーが、昨季のMVPに輝いたロジャースとの合意は可能であり、トレードは考えられない見通しだと明かしたことで判明した。

ギュートカンストGMはランボー・フィールドに集まったファンに向けて、「われわれはアーロンと彼の代理人とともに、このオフシーズンに彼が提起した問題を解決すべく、たゆまぬ努力を続けており、前向きな解決を期待している」と語っている。

また、マーフィーCEOも「われわれは彼に戻ってきてもらいたい。2021年以降もわれわれは彼にコミットしている。彼とまた一緒にスーパーボウルに勝利することを楽しみにしている」とコメントした。

未来の殿堂入りが確実視されるロジャースとパッカーズの契約問題は2021年NFLドラフトの夜に浮上したもので、ロジャースがパッカーズに対して退団を希望しており、理由は不明ながらチームに戻る意向がないことを伝えたと報じられていた。この報道を受けて、ロジャースがサンフランシスコ・49ers――チームがトレイ・ランスを指名する以前の話だが――入りする可能性、あるいはより実現性の高いところとしてはデンバー・ブロンコスへの移籍も取り沙汰されていたが、いずれも現実にならなかった。

ロジャースは『ESPN』の番組『SportsCenter(スポーツセンター)』に出演した際、その日がキャスターとして担当する最終回だったケニー・メインを相手に、チームへの不満について初めて公の場で言及し、ヘッドコーチ(HC)マット・ラフルアーや若手QBジョーダン・ラブに対するものではなく、ギュートカンストGMやパッカーズ上層部が対立のきっかけを作ったと皮肉ったが、それ以外はほとんどメディアで口を開いていない。トム・ブレイディや友人たちとのケーブルテレビのゴルフマッチ前後に実施されたインタビューでもロジャースが問題について発言することはなかった。

その間、NFL界ではさまざまな説が飛び交っていた。

ロジャースとチームの対立問題は先ごろ、同じくパッカーズのプロボウル経験者で、今季でグリーンベイでの契約が最終年を迎えるダバンテ・アダムスが長期契約延長の交渉を打ち切ったことにもつながり、ロジャースの将来に対する疑問がロースターやリーグ全体に波及したことを示している。ロジャースとアダムスはそれぞれ『Instagram(インスタグラム)』のストーリーズにシカゴ・ブルズ(NBA)のレジェンドであるマイケル・ジョーダンとスコッティ・ピッペンの写真を投稿し、2人一緒の「ラストダンス」に向かっていることを示唆していた。

ロジャースはパッカーズが実施したオフシーズンのプログラムをすべて欠席し、スナップやスポットライトのポジションもラブに譲っている。ラブはパッカーズで2年目のシーズンを迎えるが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの影響で2020年のルーキーたちはほとんど準備を整える機会がなかったため、今回が初めて本格的なトレーニングキャンプとなっている。ラブは練習で好調をアピールした後、メディアに対して「自分がプレーできるように準備しておかないといけない」と話した。2021年シーズンの開幕にロジャースが不在となった場合に備え、ラブは自分がどうするべきかを分かっていたのだ。ただ、ロジャースの復帰が確実となれば、ラブが先発の座に就くのは少なくとも1年遅れるかもしれない。

ロジャースは現行契約の期間を3年残しているが、2021年シーズン以降の保証額はない。2020年シーズンのMVPを受賞したロジャースは来るシーズンに向けて3,720万ドル(約41億0,700万円)のキャップヒットを有している。

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