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カーディナルスQBマレーがビルズQBアレンのようになることを期待するキングスベリーHC

2021年08月11日(水) 13:40

アリゾナ・カーディナルスのカイラー・マレー【AP Photo/Ashley Landis】

バッファロー・ビルズのクオーターバック(QB)ジョシュ・アレンが結んだ巨額の延長契約は、これから契約交渉に臨む他のQBにとって有利に働きそうだ。ボルティモア・レイブンズのラマー・ジャクソンやクリーブランド・ブラウンズのベイカー・メイフィールドが自分たちの新しい契約交渉にアレンの契約を利用するだけでなく、アレンは将来のシグナルコーラーたちに大金を手にできるQBへの道を切り開いと言えよう。

アレンは昨シーズンに爆発的な活躍を見せ、MVP投票で2位になるなど、ビルズの忍耐力が証明される結果となった。狭いスペースにパスを通し、ランでも相手チームに大きなダメージを与えられる彼の能力によって、ビルズはポストシーズンでも駒を進めることができた。アレンを司令塔に据えてから月並みな2年間を送ったのち、攻撃コーディネーター(OC)のブライアン・ダボールはこの若きQBのスキルを活かすためにオフェンスを構築した。それを有効に使ったアレンは飛躍し、QBランキングのトップ5入りを果たす。

アリゾナ・カーディナルスはQBカイラー・マレーも同じような道を辿ることを期待している。

カーディナルスのヘッドコーチ(HC)クリフ・キングスベリーは、来年マレーが契約を延長できるようになったとき、このオフシーズンにビルズが置かれていたのと同じような状況にカーディナルスもなっていることを望んでいると話した。つまりそれは、マレーがMVP級のシーズンを終えてオフシーズンを迎えているということだ。

キングスベリーHCは先週末に「われわれにもそのような機会が訪れることを願っている。そうなれば、昨年のジョシュのように彼も驚異的な1年を過ごし、リーグのトッププレーヤーとして台頭したことになる」と『Cards Wire(カーズ・ワイヤー)』に述べた。「その地位を築けていれば、チームは引き留めるためにあらゆる手段を講じるものだ」

マレーは来年のオフシーズンに次の契約の交渉を始めることができる。4年目を迎える前の夏は、アレンのようなフランチャイズを代表するQBが最初の大型契約を結ぶ時期となる。一方で、マレーと2023年までの契約を結び、その後はフランチャイズタグを自由に使えるカーディナルスは、彼の成長次第では契約を更新しないこともあり得る。

3シーズン目を迎えたマレーは同じ時期のアレンよりは良い成績を収めているものの、その差はわずか。昨シーズンは3,971ヤードとタッチダウン26回を記録し、パス成功率も67.2%にまで高めたマレーにはまだ成長の余地がある。マレーはランでも819ヤードを稼ぎ、11得点を挙げるなど、そのフットワークも脅威となる。

マレーにとってはケガの問題が重要となるだろう。アレンより小柄なマレーは昨年にケガによって痛い目を見ている。昨シーズンにマレーは肩の痛みに悩まされ始めるとともに生産性も低下した。試合を欠場することはなかったものの、このケガはカーディナルスがプレーオフを逃した一因となる。

マレーが入団する前年は3勝しか挙げられなかったチームだったことを考えれば、マレーのこの2年間のプレーは若きQBとして傑出している。そして彼はいま岐路に立たされている。マレーはアレンのように爆発的な活躍を見せてリーグ屈指のQBの一人として名を連ねることができるかもしれない。あるいは、パス能力の限界を迎えて中堅選手に終わる可能性もある。

キングスベリーHCはマレーがアレンに続いて2021年に躍進することを必要としている。

元テキサス工科大学のHCであるキングスベリーHCを迎えて2シーズン、カーディナルスのオフェンスは中途半端な状態だ。ジョシュ・アレンの大躍進の最大の要因は、ダボールOCのオフェンスがアレンの得意分野を引き立てたことにある。キングスベリーHCもそれに倣ってマレーの飛躍を助けるためにオフェンスを調整するのか、それとも同じ道を歩み続け、彼が自分で飛び立つことに賭けるのか。

今年はカーディナルスにとってはさまざまな意味で重要な年となる。2021年に向けて全力で取り組んできたチームにはHCとジェネラルマネジャー(GM)の将来がかかっており、マレーが次のオフシーズンに多額の給料を得るか、それとも先送りされるのかも左右する。

【R】