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“さよならツアー”には興味はないとパッカーズQBロジャース

2021年08月19日(木) 10:44


グリーンベイ・パッカーズのアーロン・ロジャース【AP Photo/Matt Ludtke】

グリーンベイ・パッカーズとアーロン・ロジャースは2021年シーズンに向けて問題を解消した。しかし、このシーズンが終わった後についてはどうなるかはっきりしていない。

ロジャースもそれを知っている。また、元プロ野球選手であるデレク・ジーターのような待遇を望んでもいない。

『ESPN』によれば、ロジャースは「さよならツアーはしたくないんだ」と話したという。

「このシーズンの後に何があるかは分からない。でも、正しい見方から満喫するつもりだし、これで終わりだと想定する気はない。全力で楽しむつもりだ」

ロジャースとパッカーズは再びNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)タイトルに向けて構えている。連続してスーパーボウルまであと一歩のところまで敗退している以上、全力で行くのに今以上に良いタイミングはなく、ロジャースにとってはこの瞬間だけを生きるべきときだ。

ロジャースはパッカーズとのラスト数週間を過ごしているかのように初めて感じたのは2020年のことで、たとえリーグのMVPに選ばれ、スーパーボウルに勝利することがあったとしても、パッカーズとの長期的な未来については固まっていないことに気づいたときだったと話している。2020年ドラフトの1巡目でパッカーズがジョーダン・ラブを指名したときに、すでにそのチャンスは失われていた。

ロジャースはこの先に何年あるか分からないまま、今この瞬間を味わうことを心に決めた。

「そういうふうにアプローチした理由は、あの指名があったときに時計が進み始めたからさ。確実にな」とロジャースは言う。

「2021年が過ぎても自分がここにいると確かに感じられる何かがなければ、これがラストイヤーになるだろうと思った。前も言ったけど、もう終わりだって感じでシーズンを迎えたくなかった。それは自分が達成してきたものや、俺がこのチームにとって意味するものに対してフェアじゃないと思うし、その部分はまったく変わっていない」

「自分がすべての瞬間を満喫したことがうれしい。自分がしたいと思うまさにその通りにリードしたことや、それぞれ別のタイミングで活力を必要としていた選手と会話したことがうれしい。ヘッドフォンを取って、周りのことや遠征、皆との時間を楽しんだ」

ロジャースはある選手が最もよく知るチーム――ロジャースの場合は唯一知るチーム――
でラストシーズンを送るとはどういうことなのかを知っている。2005年のロジャースは、今のラブの立場にあった。パッカーズが1巡目でロジャースを指名し、ブレット・ファーブのグリーンベイでの時間がカウントダウンを始めたのだ。

そのときの別れはロジャースが望むよりも泥沼だった。だからと言って、今見えている兆候に目を向けないのであれば、それは甘すぎるだろう。ロジャースはそこから目をそらさなかった。自分が愛するチーム、街、ファンたちとの残された時間をロジャースが無駄にすることはない。

ついにパッカーズが山を乗り越え、スーパーボウルで勝利したとしても、それがロジャースのグリーンベイでの未来を保証するとは言えないだろう。パッカーズは未来を優先してファーブからロジャースへの後継プランを実施した。それがファーブの涙ながらの引退を受けてのものだったとしても、ファーブがフットボールへの復帰を決断したことで、パッカーズの評判は避けようもなく低下していた。

今回、パッカーズはファーブのときよりも品位をもって事態を進めようとしているようだ。とは言え、ロジャースはこれがビジネスであることを承知しており、2021年が終わった後は別のチームから小切手を受け取るのかもしれない。

今のところ、大事なのは2021年のことだ。ロジャースには勝つべき試合があり、涙ながらに別れを告げるときではない。さよならを言うのは、その時が来てからだ。

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