ニュース

第1週のベアーズ先発QBはダルトンだとナギーHC、「レギュラーシーズンで彼を見る必要がある」

2021年08月22日(日) 21:54


ダラス・カウボーイズのアンディー・ダルトン【AP Photo/Daniel Kucin Jr.】

ソルジャー・フィールドで現地21日(土)にバッファロー・ビルズとシカゴ・ベアーズが対戦したプレシーズンゲーム中、第2クオーターでベアーズのクオーターバック(QB)アンディー・ダルトンがフィールドに出ると、ブーイングの雨が降った。第3クオーターでジャスティン・フィールズがスタンディングオベーションで迎えられたのと比べると天と地の差だ。

フィールズは興奮をもたらし、ファンをシートから立ち上がらせる。ダルトンは驚愕(きょうがく)を引き起こす年配のベテランだ。

ベアーズのヘッドコーチ(HC)マット・ナギーはダルトンが第1週の先発だと主張を続けており、バックアップを中心としたビルズを相手に33歳のダルトンを2つのクオーターにわたってフルにプレーさせることでその考えを強調してみせた。シカゴはデビッド・モンゴメリー、アレン・ロビンソン、コール・ケメットと数名のオフェンシブラインマン――先発の大部分を座らせており、ダルトンを長く出し続けたのは、レギュラー陣との連携を築くためではない。

ダルトンは立ち上がりに連続のスリーアンドアウトでスタートした。2つのクオーターにわたる7つのドライブで、ベアーズはファーストダウンを4回しか取れなかった。フィールズが登場してすぐに最初の2回のドライブで4つのファーストダウンを奪ったのとは対照的だ。

ダルトンは間に合わせのラインの後ろで苦しんでおり、それは彼のモビリティのなさを表している。バックアップレシーバーたちとの呼吸も合わず、出場選手たちのプレーを引き上げることもなく、試合は41対15で敗れてしまった。

これ以上ダルトンがとどまるなら、ホームの観客が暴動を起こしかねないとなったところで、ベテランQBはサイドライン深くにワイドレシーバー(WR)ロドニー・アダムスへのパスをつなげ、73ヤードのタッチダウンを決めるビッグプレーを見せた。アダムスはうまいボールさばきを見せ、セーフティ(S)は走るのをやめてしまったため、彼は悠々とエンドゾーンへ駆け込んだ。『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、73ヤードというのはベアーズにとってプレーシーズンでは2014年以来最長のレシーブだという。

第1週の先発にダルトンを推すナギーは、このプレーが彼の可能性を表していると指摘するだろう。最終的にダルトンは17回中11回のパスを成功させて146ヤードを獲得、タッチダウン1回という成績だった。最後はインターセプトで出番を終えている。獲得ヤードの半分を稼いだビッグプレーを除くと、バックアップがメインの中でプレーしたベテランにとって、あまり景気付けになる内容ではなかった。

ナギーは試合後、第1週の先発はやはりダルトンだと述べている。プレシーズン中にベテランの評価は行っていないと彼は言うが、それではなぜ、試合の前半でずっとダルトンを出し続けたのか説明がつかない。

「レギュラーシーズンで彼を見る必要がある」とその後ナギーは記者団に語った。

フィールズが登場し、試合は一気に活気づいた。残りの2クオーターでルーキーは再びモビリティを駆使して何度もポケットを抜け出し、チェーンを動かした。彼はランで46ヤードを稼ぎ、精度も見せている。19回中9回のパスを成功させ、80ヤードを獲得した。

苦戦するバックアップラインマンの後ろで、彼のモビリティが鍵となった。フィールズにも問題はいくつかあり、ブリッツに気付かずに強烈なブローを受けてはじき飛ばされるシーンがあった。名誉のために言っておくと、それでも彼はタフさを見せ、戦い続けた。こうしたヒットはフィールズの成長にとって必要なタイプのプレーだろう。その後、同様のブリッツに対し、若き司令塔はそれを予見し、ヒットされる前に逃れている。

「俺は平気だ」と強打についてフィールズは述べた。「あれより強いヒットを何度も受けたことがある」

腕っ節の強いルーキーは優れたパフォーマンスを見せた。今週はランのスライディングも向上しており、先週より処理が速くなった。まだレシーバーと呼吸が合わなかったり、レッドゾーンへの高いスローを含めてトスでターゲットを外したりということはある。先発陣とレップスができていない分、フィールズの評価は難しい。

6つのドライブでフィールズは2回を得点につなげ、10回のファーストダウンを奪った。

シーズン開幕まで3週間となり、プレシーズンゲームは残り1つ。第1週を前にフィールズが先発陣とレップスの機会を与えられることが望まれる。ナギーは試合後、来週にはルーキーとレギュラー陣のレップスが見られるだろうと示唆した。フィールズの本当の評価が始まるのはそれからだ。

フィールズ自身はQBの序列について心配していない。

「俺が気にするのは毎日向上することだけ。後はなるようになる」とルーキーは言い切った。

【M】