ジャガーズを下した試合で輝いたセインツQBウィンストン
2021年08月24日(火) 16:228月のニューオーリンズの暑い夜に、セインツは2006年以来で初めてドリュー・ブリーズがロースターにいないホームゲーム――プレシーズンかレギュラーシーズンかを問わず――を開催した。
オフシーズンやプレシーズンの大部分がそうだったように、ブリーズの残した空席を埋めるためのクオーターバック(QB)ジェイミス・ウィンストンとテイサム・ヒルによる競争は続き、前者が先発の役割を担っている。
終わってみれば、輝きを見せたのはウィンストンだった。セインツがジャクソンビル・ジャガーズに23対21で勝利したマンデーナイトの試合で、ヒルはまだ前進する途中のように見えている。
ウィンストンが活躍を見せたものの、セインツのヘッドコーチ(HC)であるショーン・ペイトンは試合後に先発QBを指名せず、また、いつ決めるかの時期についても明かさなかった。
「タイムフレームはない。自分たちが進んでいる方向が分かれば、皆さんにお知らせしよう。週の半ばだとか、来週だとかを予想立てて言うつもりはない」と話すペイトンHCは「だが、私はクオーターバックたちだけではなく、チームとしてどうプレーしたかに大部分で満足している」と続けている。
急成長中のワイドレシーバー(WR)マーキス・キャラウェイを見つけて2度の見事なタッチダウンパスを通したウィンストンは、パス10回中9回成功、123ヤード、QBレーティングは157.5を記録し、3つのドライブでセインツを14ポイント獲得へと導いた。
第1クオーターの終わりに登場したヒルは後半でもプレーし、パス20回中11回成功、138ヤード、タッチダウン1回とインターセプト0回でQBレーティングは93.3だった。
QB1の座をかけたバトルでは、ウィンストンが大きくリードしたようだ。
ウィンストンは「しばらくフットボールゲームで先発していなかったから、先発して皆をリードする機会があってすごくワクワクした。エキサイティングだったし、リズムは最高だった」と話している。
タンパベイ・バッカニアーズに所属していた2019年以来の先発となったウィンストンは落ち着き、安定して見えた。最初の4回のパスを成功させたウィンストンのこの日最高のプレーだったダブルカバレージへの見事なロングパスには、パスインターフェアランスでフラッグが投じられたものの、セインツがこれを拒否してキャラウェイへの43ヤードのタッチダウンパスが確定している。
このプレーはキャラウェイの正当性を強めたと同時に、ウィンストンにとっても輝かしいスタートとなっている。
セインツの第2ドライブではウィンストンが最初の5回のパスを決めたものの、ドロップによって流れは止まった。
ウィンストンと攻撃陣は第3ドライブで巻き返し、最初の4回のスローをすべて成功させる。そのうち3つがキャラウェイへのパスであり、キャラウェイは驚きのワンハンドキャッチでウィンストンからの素晴らしいタッチダウンパスを再演した。
ウィンストンがジャガーズ守備陣を相手に快進撃をする一方で、ヒルはつまずいた。
ヒルのスローは大部分が低めの直球であり、そのボディランゲージからは不満を抱えている様子が見え、フィールドをスキャンする時間があるときでさえ焦っている様子だった。ポジティブな面がなかったわけではなく、その多くがWRリトル・ジョーダン・ハンフリーへのパスだった。ハンフリーは短い距離でキャッチしたパスを25ヤードのゲインに昇華させたほか、同じドライブでは混み合う中で出された短いボールをやはり25ヤードのゲインとしている。また、ハンフリーは後半でヒルからのパスを空中でキャッチし、タッチダウンを決めた。
これまでのプレシーズン2試合でウィンストンはパス22回中16回成功(72%)、219ヤード、タッチダウン3回、インターセプト1回を記録。ヒルはパス32回中19回成功(59%)、タッチダウン1回、インターセプト1回となっている。
プレシーズンではどういったチームメイトと一緒にプレーしたか、また、対戦相手がどういったメンバーだったかによって条件が異なる。
それでも、月曜日のウィンストンは素晴らしかった。QB争いに勝つとまでは言えないものの、ターンオーバーさえ抑えることができればそうなるはずだとバッカニアーズが見込んでいたような、傑出したQBになる可能性はしっかりと示されていた。
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