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2022年プロフットボール殿堂のファイナリストに元レイダースWRブランチ、HC歴15年のバーミール

2021年08月25日(水) 14:35

プロフットボールの殿堂の式典【Ben Liebenberg via AP】

足の速さを活かしたプレーの先駆者と、スーパーボウル優勝経験のあるヘッドコーチ(HC)がカントンに一歩近づいた。

オークランド・レイダースの元ワイドレシーバー(WR)クリフ・ブランチとNFLで15年間HCを務めたディック・バーミールがそれぞれシニア部門とコーチ部門のファイナリストに選ばれたとホール・オブ・フェイムが現地24日(火)に発表した。

ブランチはコロラド大学時代にフットボールチームに所属しながら陸上競技のスター選手としても活躍し、1972年にレイダースに入団。14年間のキャリアの中でブランチは2回の1,000ヤードシーズン達成、4回のプロボウルと3回のオールプロ選出などの実績を残した。ブランチは同世代のNFLプレーヤーの中で最も優れた俊足選手の一人として知られ、引き離したディフェンスとの距離は当時のフットボールでは見られないほどだった。ブランチが生み出したスペースはチームメイトのタイトエンド(TE)デイブ・キャスパーとWRフレッド・ビレトニコフが活躍するチャンスを作り、おかげで二人は殿堂入りにふさわしいキャリアを築くことができた。

レイダースのオーナーであるマーク・デイビスはホール・オブ・フェイムの社長兼CEOのデイビッド・ベイカーから電話を受けたとき、「クリフ・ブランチはこのゲームを変えた。セーフティ(S)が彼をマークしなければならなくなった」と述べている。

ブランチはレシーブ501回、8,685ヤード、タッチダウン67回という記録をもって殿堂入りした同世代のNFLスターたちと並ぶ記録を残すことができた。リーグのレシーブタッチダウン数で2度トップに立ち、NFLのキャリア全体を過ごしたレイダースでスーパーボウルを3度制覇している。

ブランチは2019年に亡くなったため、家族のエレイン・アンダーソンさんが火曜日にベイカー氏からの電話を受けた。

「ホール・オブ・フェイムはクリフ・ブラウンのきょうだいであるエレインに、クリフが2022年クラスのシニア部門ファイナリストにノミネートされたことを連絡した」

アンダーソンさんは「彼はこれを夢見ていて、強く望んでいました。彼はいつ殿堂入りするかということばかりを話していましたよ」とベイカー氏との電話の中で述べている。

一方のバーミールはかつて自分が指導したスターレシーバーのアイザック・ブルースが殿堂入りを果たした式典に出席したわずか数週間後に、自らもその栄光に一歩近づく形となった。大学で成功を収めたバーミールはカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)での2シーズンで15勝5敗3分の成績を残し、1976年にフィラデルフィア・イーグルスで初めてNFLのHCに就任した。バーミールは1980年シーズンにイーグルスをスーパーボウルに導いたが、ブランチのいるレイダースに敗れている。

バーミールはその後15年間の休職期間を経て、1997年にセントルイス・ラムズでHCに復帰。1999年シーズンにチームをスーパーボウルに導いた。バーミールは後に“Greatest Show on Turf(グレイテスト・ショー・オン・ターフ/芝の上での最高のショー)”と呼ばれる試合を指揮し、第34回スーパーボウルでテネシー・タイタンズに劇的な勝利を収める。新しい世紀に向けてラムズはエリートチームの仲間入りを果たした。バーミールは翌年に再びコーチ業を離れたものの、2001年にカンザスシティ・チーフスのHCに就任。2005年までチームを指揮し、プレーオフに1度だけ出場している。2006年はじめに引退した。

バーミールはNFLで通算120勝109敗を記録し、ポストシーズンでは6勝5敗、スーパーボウルは1勝1敗をマークしている。ファイナリストに残ったことを知らされたバーミールは「感無量だ。自分が本当にふさわしいかどうか分からない」と述べた。

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