「夢が叶った」とKの代役を急きょ務めたテキサンズSリード
2021年08月30日(月) 13:43NFLの各チームがレギュラーシーズンに向けての準備に追われる中、ヒューストン・テキサンズのセーフティ(S)ジャスティン・リードには夢を叶えるチャンスが与えられた。
タンパベイ・バッカニアーズと対戦した現地29日(日)の試合でテキサンズのスペシャルチームがフィールドに立ったとき、4年目のリードがオープニングのキックオフを担当し、ボールをダウンフィールドに65ヤードも飛ばした。しかもこれはトリックプレーでもなかったのだ。
その瞬間、そしてそれに続くもう2本のキックオフの成功はリードがキャリア全体をかけて準備してきた賜物と言っても過言ではない。
リードは日曜日に「人生で最高の瞬間だった」とチームの記者に話している。「この瞬間をずっと待ちわびていたんだ。コーチから“お前の出番だ”って言われたとき、どれだけ興奮したことか。“マジで? 俺に1本やらせてくれるのか?”って聞いたら、“違う。試合中ずっとだ”って言われたんだ。だからフィールドに立っている間はとにかく楽しかった。夢が叶ったよ」
ヒューストンのキッカー(K)に急きょ指名されたリードは負傷したKケイミ・フェアバリンの代わりに試合にフル出場してディフェンスも務めたが、チームは16対23で敗れている。
リードのキックはそれぞれ65ヤード、61ヤード、48ヤードを記録。3本目はアウトオブバウンズになったが、もはやそんなことを気にする者はいない。リードはタックルも3本記録し、そのうちの1本は2本目のキックを放った直後に決めるという驚異的なプレーを見せている。
高校時代はサッカー部に所属しながらKとして活躍したリードは、スタンフォード大学でもKに急きょ指名されたが、その技量を試合で活かすことはできなかったと明かした。リードが2018年のドラフトで5番目のSとして選ばれたたことを考えると、むしろそのような機会は訪れなくて良かったのかもしれない。
彼独自のデュアルスレットを記録したことで、リードは好調なスタートを切ったキャリアを積み上げていくことに専念できる。彼(あるいはテキサンズ)が永久的にKに転換することを検討する可能性は極めて低いが、必要があればいつでもその脚力を披露することに前向きであることをリードは示した。
「俺はセーフティとしてとても満足している。とてもハッピーだ。得意分野はわきまえている。でもプレシーズンゲームとかそういう場面で機会があれば、セーフティがキックを担当するのも悪くないんじゃないかって相手チームに思わせてやるさ。どんな状況でも俺はいつでも準備できている」とリードはコメントした。
リードの熱意は賞賛に値するが、彼の才能は今後ディフェンス面でより有効に活用されると言って間違いないだろう。
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