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「このために生まれた」と最高額の守備選手にかかる重みを語ったスティーラーズT.J.ワット

2021年09月13日(月) 00:41


ピッツバーグ・スティーラーズのT.J.ワット【NFL】

ピッツバーグ・スティーラーズとアウトサイドラインバッカー(OLB)T.J.ワットの契約問題はシーズン開幕目前までもつれ込んでいた。

しかし、バッファロー・ビルズとのシーズン初戦に臨む3日前、スティーラーズはオールプロに複数回出場しているワットとNFL最高額の守備選手にする条件で契約に合意している。

そこに至るまでに紆余曲折はあったものの、ワットにとっては万事順調だ。ワットは2021年シーズンにリーグ最高額を得る守備選手の称号を得るため、その期待に応えることが最も重要となる。

『ESPN』のブルーク・プライアーによると、ワットは現地10日(金)に「俺はずっとプレッシャーと戦ってきた。俺はこのために生まれた。お金で俺自身が人として変わってしまうことはないと本気で思っている。俺が果たしてきた仕事はこれからも変わらない。ただ成長するだけだ」と話したという。

昨シーズン、ワットはあらゆる守備記録を先導していた。そして、これからは給料面でも一歩先を行く存在となる。

ワットは1億1,200万ドル(約123億1,000万円)を超える4年の延長契約を結び、8,000万ドル(約87億9,000万円)が完全保証されている。1年あたりでは2,800万3,000ドル(約30億8,000万円)を受け取る予定だ。

「これだけの金額を託して俺をここに呼ぼうと話し合ってくれた人たちが正しかったと証明するのが俺の仕事だ。俺にはそれができると思っている」と語るワットは「何が必要なのかよく分かっている。生涯ずっとやってきた。継続することと、ハングリー精神を持ち続けることだけだ。今、ここにいるみんなやこの建物にいるみんなに保証する。俺はまだまだハングリーだ」と続けている。

1巡目指名選手の5年目オプションが行使され、新人契約から5年目の最終シーズンを迎えたワットの基本給は1,008万ドル(約11億円)となる予定だった。ところが、NFLのエリートであることを証明したワットはそれに見合った報酬を得て、今では別次元にいる。

NFLのトップディスラプターとしてシーズンを終えたワットは『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』の調査によると、80回のディスラプションでリーグをけん引し、リーグ最高の18.4%をマークしたという。NFLのサック王として頂点に立つパスラッシャーのワットはリーグ最多を誇るタックル・フォー・ロス23回に加え、サック15回をマークした。また、クオーターバックヒットも自己最高の41回を記録している。

2017年ドラフト全体30位指名のワットはリーグ屈指の守備選手として台頭し――昨季のAP通信ディフェンス部門年間最優秀選手賞はワットとロサンゼルス・ラムズのアーロン・ドナルドのどちらが受賞すべきだったかという議論はいまだに続いているが――この2年間でスティーラーズの守備陣を卓越した存在へと押し上げるきっかけとなった。

これまでにワットは3年連続でプロボウルに選出され、2年連続でオールプロにも選ばれている。

4シーズンでサック49.5回、フォースドファンブル17回、ファンブルリカバー4回、インターセプト4回を記録していることからも、ワットはチームのプレーメーカーだと言える。

ワットとスティーラーズにとって新たな契約を結ぶことは当然の結果だとはいえ、締結に至るまでは長い道のりだった。

敵地で開催されるビルズとのシーズン初戦に向けて「最高の気分だ」と言うワットは、契約交渉をも済ませて目前にいる相手のクオーターバックに集中する準備ができたと話している。

【RA】