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「ゲームが昔より少しソフトになった」とバッカニアーズQBブレイディ

2021年09月24日(金) 00:52

タンパベイ・バッカニアーズのトム・ブレイディ【AP Photo/Jason Behnken】

トム・ブレイディは相変わらず、22年のキャリアで経験しているNFLの進化の一面について、文句を言い続けている。

2021年シーズンが始まる前には、ディフェンスへのペナルティがオフェンスのミスを許していると指摘し、それはすぐに背番号の変更についての不満に置き換えられた。

今週、『SiriusXM NFL Radio(シリウスXM NFLラジオ)』の“Let’s Go!(レッツ・ゴー!)”で、ブレイディはクオーターバック(QB)の進化について議論し、“よりソフト”なリーグになったことによって、ランニングQBが増えてきたと述べた。

「きっと近視眼的な面が多分にあるんだろうけど」と彼の発言を『Pro Football Talk(プロフットボール・トーク)』が報じている。「よく耳にするんだよね、何年もこう言われている。“ああ、ゲームが変わってきているね”とか。ゲームというのは間違いなく、違う形に変わっていくものだと思うよ。進化し、変わり、成長する。良くなっているんだと思いたいけどね。それと同時に、いつだってクオーターバックというポジションには驚くべきアスリートたちがいて、プロフェッショナルなフットボールをプレーしてきたと思う。ランドール・カニンガムは驚くべきアスリートだった。ケン・ステイブラーは驚くべきクオーターバックだった。ロジャー・ストーバックもそうだ。マイケル・ヴィックは――僕は彼以上に強健な選手は知らないほどだ。それは確実にゲームに1つの要素を加えると思う」

「でも同時に、ゲームで一番重要なのは得点することだ。だから、一定期間の中で見ると、そういうスタイルのプレーは不安定さを増やすと思う。ポケットの外に出るわけだから、それだけ当然ケガをしやすくなる。ポケットの中にいる時のようなプロテクションはない。過去にも触れたことがあるけど、こういう流れになってきた理由として、時間をかけて変わったことを1つ挙げるなら、ディフェンスの選手のヒット、つまり激しい接触に対してペナルティを多く出すようになったことがあると思うんだ。ポケットを出ている時というのは、昨日もライアン・ジェンセンがランナーを守ろうとした時のプレーで出されたけど、オフェンシブラインマンに不必要なラフネスを取られてしまうんだ。あれは、5年前だったら取られなかったものだと思う。今のクオーターバックには10年か15年前なら何でもなかったのに、ディフェンスの選手にフラッグが出される多くのプレーやヒットがある」

「だから、以前よりゲームが少しソフトになったなと僕は感じるんだ。ディフェンスの選手はタックルに行く時、よりディフェンシブになった。それがポケット外のクオーターバックにとって1つの要素となり、昔よりチャンスを狙っていくようになったんだと思う」

確かに、QBのプロテクションは進化を助長した。だが、44歳のブレイディもまた、そうしたルール変更の恩恵を受けている。カート・ワーナーのような元QBが以前から言っているように、今のブレイディと同じプロテクションが彼の時代にあったなら、40代になってもプレーを続けていたかもしれない。

“ソフト”という議論には、脳振とうの問題から選手の安全に至るまで、多くのレイヤーが含まれている。また、ランニングQBが増えた背景には、異なる攻撃コンセプトを取り入れたいコーチ側の意向も関係している。また、そうしたQBたちは成長過程や大学時代を通してそのポジションをプレーする機会を与えられる。絶えずワイドレシーバー(WR)、ランニングバック(RB)、コーナーバック(CB)に集中させられるのとは対照的に。

そしてまた、“ソフト”になるということは必ずしも悪いことではない。ブレイディも指摘した通り、NFL史でこれほど多くの優秀な若手QBがいたことはなかった。リーグの顔となる彼らを万全の状態に保つことが何よりも大切なはずだ。だがそれも動機としては“ソフト”だと一部の者には言われてしまうだろうか。

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