ジョン・グルーデンがレイダースHCを辞任
2021年10月12日(火) 11:132010年までさかのぼる複数のEメールで人種差別や同性愛嫌悪、女性蔑視をうかがわせる表現を使用していたことが『The Wall Street Journal(ウオール・ストリート・ジャーナル)』と『New York Times(ニューヨーク・タイムズ)』によって報じられたジョン・グルーデンがラスベガス・レイダースのヘッドコーチ(HC)を辞任した。『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが11日(月)の夜に報じている。
グルーデンはレイダースと結んだ10年契約の4年目に、5試合を終えていた。グルーデンはそれ以前にもレイダースのヘッドコーチを務めていた。
『NFLネットワーク』のイアン・ラポポートが取得した声明の中で、グルーデンHCは「私はラスべガス・レイダースのヘッドコーチを辞任した」と述べた。
「私はレイダースを愛しており、その注意をそらせるものになりたくない。すべての選手やコーチ、スタッフ、そしてレイダーネーションのファンたち、ありがとう。すまないと思っている。決して誰かを傷つけようなどとは考えていなかった」
『ウオール・ストリート・ジャーナル』は58歳のグルーデンが辞任する3日前に、2011年に送信されたメールの中でグルーデンがNFL選手会(NFLPA)エグゼクティブディレクターのデュモーリス・スミスについて人種差別的な比喩表現を使っていたことを報じている。また、辞任の報がもたらされたのは、月曜日の夜になってグルーデンが同性愛嫌悪や女性蔑視的な言葉を2010年までさかのぼる他の複数のメールで使用していたことを『ニューヨーク・タイムズ』が伝えてから2時間足らずでのことだった。
グルーデンは月曜日にレイダースオーナーのマーク・デービスと話し、退く決断を伝えたとペリセロは報じている。
1988年から2001年にレイダースのHCを務めたグルーデンは、2018年にチームに戻り、10年1億ドル(約113億4,000万円)の契約を結んでいた。
その契約の半ばまで至らない段階で、グルーデンは金曜日に始まり、月曜日に一つの終幕を迎えた騒動の中でチームを去る。
グルーデンHCの辞任が報じられる前、スミスは『Twitter(ツイッター)』で自身の考えをこう述べていた。
「ジョン・グルーデンが送ったメール――そして、それに対するいくつかのリアクション――は、人種差別や人種差別的な言葉、不寛容との戦いが終わっていないことを明らかにした。これはメールがどうこうということではなく、私のように見える人々はそういった扱いを受けて構わないという考え方があるという問題だ」
「また、このメールは強力なプラットフォームがある人間がこれについて説明するコメントが、なぜ陰湿で偽善的なのかも明らかにしている。それは平等性や包括性、敬意といった価値以上に、フットボールを守る必要があるかのようだった」
「われわれのビジネスで力を持つ者は、現状維持のための言い訳をするのではなく、フットボール自体が良くなる必要があることを受け入れなくてはならない」
「彼が私に連絡をくれたことには感謝しているし、彼にはすぐに話そうと伝えた。だが、間違ってはいけないが、このニュースは私たちのプライベートな会話がどうという問題ではなく、さらされるなどと思ったことのない人々が他に何を言うのか、そして、彼らにどう責任を問うのかの問題だ」
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