ブロンコス戦は“リマッチではない”とQBニュートン
2016年09月06日(火) 14:24第50回スーパーボウルでカロライナ・パンサーズがデンバー・ブロンコスに敗北を喫し、最後にフットボールのフィールドを去った際、キャム・ニュートンは頭を垂らしてガックリと肩を落としていた。それはまるで持ち望んでいた1番の楽しみを一瞬で奪われたような様子であった。
そして、現地8日(木)に行われる開幕戦でパンサーズがブロンコスの本拠地に1歩足を踏み入れれば、当時の記憶が蘇ってくるのは疑いようもない。
しかし、キャム・ニュートンの前で今年の開幕戦をスーパーボウルのリマッチだと口にするのはご法度だ。
ニュートンは日曜日、報道関係者に対して「みんながこの試合をリマッチにしたがるんだ。これはそんなんじゃない。ただの次なる相手さ」と語った。
とはいえ、今回の試合がリマッチとして考えられてしまうのは無理のない話だ。両チームともにオーナーは変わらず、チームの名前に変更もなく、チームの本拠地も変わっていない。
その一方でニュートンの言いたいことも分かる。オフシーズンから次のシーズンに向かう中では多くの変化が起こり、同じような結果になるシーズンはほとんどない。チームの大改革が行われれば、中堅クラスから一気にスーパーボウル出場を果たすチームもある。9カ月という長いシーズンの中で、プレーヤーは頂点に立ち、勝利の美酒に酔うこともあれば、長いトンネルの中でどん底を経験することもある。
今のパンサーズは昨年度スーパーボウルに出場した時の彼らとは確かに違う。ディフェンシブバック(DB)ジョシュ・ノーマンはチームを離れ、ディフェンス陣の中でもとりわけ目立つのは才能ある若手たちだ。チーム1番手のワイドレシーバー(WR)であるケルビン・ベンジャミンが膝の靭帯(じんたい)断裂から復活し、WRデビン・ファンチェスも2年目の飛躍を遂げようとしている。そして、スーパーボウルでの敗戦から得た教訓がパンサーズの中でしっかりと生きている。
24対10で敗戦したスーパーボウルのブロンコス戦について、ニュートンは「誰だって負けたくないんだ。だからあの時はひどく落ち込んだよ」と明かした。
ブロンコスもまた、今では違うチームになっている。ディフェンスのマリク・ジャクソンとダニー・トレバサンはチームを離脱。オフェンスラインも再編され、ドラフト7巡目で指名されたクオーターバック(QB)のトレバー・シーミアンが、殿堂入りが確実視されるペイトン・マニングを後継。2015年のブロンコスのロースターからは10人が異なるチームへと移籍した。NFLではブラウンズに次いで2番目に多い移籍者数である。
キャムが木曜日の開幕戦をリマッチと呼ぼうが呼ぶまいが、誰しも共通して同意することが1つある。それは、フットボールのシーズンが戻ってきてくれたことに感謝するということだ。