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QBウィルソンがいなければ「長くここにはいなかっただろう」とシーホークスHCキャロル

2021年10月27日(水) 00:12

シアトル・シーホークスのラッセル・ウィルソン【AP Photo/Don Wright】

シアトル・シーホークスのヘッドコーチ(HC)ピート・キャロルはゲームの流れを変えるようなクオーターバック(QB)を持たずにNFLで戦うことがどのようなものかを思い知らされている。

現地26日(月)夜、シーホークスのオフェンス陣が悲惨なパフォーマンスを見せてニューオーリンズ・セインツに13対10で敗れた後、キャロルHCはQBラッセル・ウィルソンがいなかったらシーホークスでの12年目のシーズンを迎えていなかっただろうと認めている。

シーホークスがどれほどウィルソンを恋しがっているかと質問されたキャロルHCは「こう言ってもいいだろう。私はここに長くいるが、もしラッセルがいなかったら、ずっとはここにはいなかっただろう」と答え、
次のように続けた。

「なぜなら、彼が長年にわたって生み出してきた魔法のようなものがあるからだ。彼は数字やスタッツ、第4クオーターのあれこれなど、あらゆるものを手に入れた。NFLの歴史上、最も勝利したクオーターバックの一人だ。今年、彼が戻ってきて、私たちのために再びフットボールをしてくれたら、本当に楽しいだろうね。彼には非常に大きな借りがある。どれほど大変なことか、分かるだろう。すべての試合、ラムズ戦や・・・スティーラーズ戦、そして今回の試合も、ラッセルが要因だ。彼は素晴らしく、ポジティブな要素であり、常にそうであり続けてきたし、当時はまさに彼の時代だった。それこそ彼の時代だ。彼が輝いている時だ。だからこそ、彼が恋しい。それまでの間、私たちは戦い続け、引っかき回し、できる限りのことをしていくつもりだ」

2012年――マット・ハッセルベックとタバリス・ジャクソンが先発を務めた後、キャロルがHCに就任して3年目のシーズン――にウィルソンがシーホークスの先発QBに就いて以来、シーホークスはウィルソンが先発した試合で通算100勝48敗1引き分けを記録している。

3試合連続でジーノ・スミスは自らの魔法をかけるチャンスと共にボールを取り戻している。しかし、惜しくもすべて失敗に終わった。今回、スミスは2回のサックを受け、第4ダウンでミスしてシーホークスが奇跡的に再起を図る機会を逃している。

ウィルソンは2012年にNFLに参入して以来、31回のサヨナラ勝利を実現しており、これはマシュー・スタッフォードの34回に次いでNFLで2番目に多い数字だ。

ウィルソンの存在が恋しいのは再起を図るためだけではない。ウィルソンの才能と、何もないところから何かを生み出す能力が求められているのだ。スミスを起用したことでコーチングスタッフのバックアップに対する信頼感のなさも露呈しており、シーホークスはことごとく詰め寄ってくるセインツの守備陣にランでの第1ダウン獲得を阻まれた。

スミスはパス22回中12回を成功させて、167ヤード、タッチダウン1回、サック5回を記録。ウィルソンが先発していた序盤の5週間ではシーホークスの試合平均得点は24点だったが、スミスが先発を務めるようになってからは試合平均15点となった。また、オフェンスではスミスが先発になってから1試合あたりの平均パスヤードが100.0も少なくなっている。

シーホークスは現在2勝5敗だ。もしウィルソンがこの3週間に出場していたら、全く異なる結果になっていたかもしれない。

ラインバッカー(LB)ボビー・ワグナーはウィルソンについて「彼は特別な、特別なヤツだ。時間が残っている状態でヤツにボールを渡れば、必ず何かが起こる。俺にとっては、思い出す必要もないことだ。ヤツの能力を知っているからな」と話している。

現在、シーホークスはウィルソンが今季後半に復帰したときに、不安定なNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)でワイルドカードゲーム出場の可能性を押し広げるだけの魔力を持っていることを期待している。

【RA】