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テキサンズQBワトソンは期限までにトレード成立せず

2021年11月03日(水) 03:59

ヒューストン・テキサンズのデショーン・ワトソン【AP Photo/Justin Rex】

ヒューストン・テキサンズのクオーターバック(QB)デショーン・ワトソンをトレードブロックに残したまま、現地2日(火)に設定されているNFLのトレード期限を迎えようとしている。

テキサンズは問題を抱えるスターQBワトソンのトレードについて、数週間前からマイアミ・ドルフィンズと協議を重ねてきたが、結局、アメリカ東部時間16時のトレード期限までに合意に達することはなかった。『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが報じたところによると、ワトソンの法的状況が落ち着いていないことから、最終的にトレードに至らなかったとのこと。ワトソンはオフシーズンまでテキサンズのロースターに残留することになる。

また、ラポポートによれば、契約条件に非トレード条項を持つワトソンはドルフィンズとの取引に関してのみ、その条項を放棄するとして同意したといい、テキサンズのトレード要求にはドラフト1巡目の指名権3つが含まれていたようだ。ワトソンのような優秀な選手であれ、マッサージセッション中に性的暴行と不品行を働いたとして係争中の22件の民事訴訟を抱えていることを考えれば、非常に高額な取引と言える。ワトソンは起訴されていないものの、法執行機関とNFLによる同時進行の調査が進んでいる。

ワトソンは昨シーズンにNFL最高となる4,823ヤードのパスを投げ、タッチダウン33回に対してインターセプトは7回、3年連続でプロボウルに選出されたが、今年はその記録が止まる。

マイアミではこのニュースにドルフィンズQBのトゥア・タゴヴァイロアが安堵の表情を浮かべているだろう。2020年ドラフト全体5位でドルフィンズ入りしたタゴヴァイロアは2年目の今年、ブライアン・フローレスHC(ヘッドコーチ)が何度もタゴヴァイロアのトップクオーターバックとしての地位を主張しているにもかかわらず、テキサンズとのトレード交渉で注目を集めてきた。タゴヴァイロアは肋骨の負傷から回復し、先発に復帰するも、以降の3試合で連敗している。今季のドルフィンズはパスプロテクションが大きな問題となっており、チームにとってはタゴヴァイロアの長期的なポテンシャルを評価するのが難しい状況だ。

ワトソンはNFLで最も才能のあるクオーターバックの1人でありながら、今シーズンは毎週インアクティブとなっており、テキサンズとワトソンの関係は気まずいままだ。ワトソンは法的な問題が発覚する前からチームを離れたがっており、1月にはトレードを要求していた。

NFLのトレードウインドーはリーグ新年度の初日かつフリーエージェント期間の開始日にあたる2022年3月16日(水)に正式に再開されるが、それ以前にトレードに合意し、それを発表することも可能だ。

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