WRベッカム放出は「不幸なこと」とステファンスキーHC、それでもブラウンズは「前に進む」
2021年11月07日(日) 02:57ワイドレシーバー(WR)オデル・ベッカムとクリーブランド・ブラウンズはもはや共に歩んでいないが、ブラウンズは現地7日(日)に試合を控えている。
対戦相手のシンシナティ・ベンガルズは州の対角の位置に本拠地を構えており、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区では2位につけている。地区4位のブラウンズは涙ながらの別れを惜しんでいる場合ではない。
『Cleveland.com』によれば、ヘッドコーチ(HC)ケビン・ステファンスキーはベッカムをリリースするというチームの決定について「私たちは進んでいく。こういう事態になったのは残念だ。お互いにとって不幸なことだと思うが、私たちは前に進み、今度のシンシナティ戦に集中しなければならない」と述べたという。
1週間にわたる退団劇は、ベッカムがオープンになっていたにもかかわらず、何度もクオーターバック(QB)ベイカー・メイフィールドからターゲットにされなかった様子を編集した動画がベッカムの父であるオデル・ベッカムSr.によってシェアされたことから始まった。『Instagram(インスタグラム)』の投稿のコメント欄でメイフィールドの能力やモチベーションを見くびるようなコメントに対して、ベッカムSr.が肯定的な返信をするという流れが続き、最終的にはトレード期限が近づく中でベッカムと同じ『Nike(ナイキ)』のアスリートであり、バスケットボール選手のレブロン・ジェームズが『Twitter(ツイッター)』でブラウンズに「#FreeOBJ(OBJをフリーに)」と要求する投稿をしている。
ブラウンズがトレードでベッカムを自由にすることはなく、結局、カットすることで彼を来週のウェイバーワイヤに送ることになった。
今週はベッカムと話していないものの、いずれは連絡を取るつもりだと言うステファンスキーHCは「悪意はない。お互いに前へ進むつもりだ」と付け加えた。ベッカムに関する質問を受けたのはステファンスキーHCだけではない。メイフィールドはベッカムの父が引き起こしたドラマや、ベッカムがそれを鎮められなかったことについて、一連の質問に答えなければならなくなった。
メイフィールドは今週、一連の出来事で傷ついてはいないと話しており、今週末のベンガルズ戦でブラウンズの勝率を5割以上に戻すことに集中している。ステファンスキーHCは――関節唇断裂と肩の骨折を乗り越えながらもプレーしている――メイフィールドが準備万端だと信じているようで、次のように述べた。
「私たち全員が前に進まなければならないと思う。日曜日には目の前に挑戦が待ち受けているからね。ベイカーは1週間の練習がうまくいっていたから、準備万端だと思っている」
ベッカムの親友であるワイドレシーバー(WR)ジャービス・ランドリーによる長年の仲間の退団に対する反応について、ステファンスキーHCは「彼はプロだ」とシンプルに語った。
ブラウンズが成り上がりのベンガルズを倒して勝利を手に入れるためには全員が力を合わせる必要がある。ステファンスキーHCはこの白星をブラウンズが「必死」になって挙げようとしていると感じたと言う。
「勝利することでチームが活気づくと思う」とステファンスキーHC。
2020年、ブラウンズはACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)断裂に見舞われたベッカムを欠きながらも、その存在なしでオフェンスに火がついた。ベッカムがいなくなった今、1年前に戻ったかのように、ベッカムが膝を負傷したのと同じスタジアムを再訪し、当時と同じ結果を残したいはずだ。
ただし、今回、ベッカムはスタジアムに向かうバスには乗らない。ベッカムは別の場所へ向かうために荷造りする一方で、かつてのチームメイトは再び軌道に乗ることを目指している。
【RA】