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トレード期限前に複数チームがQBワトソン獲得に1巡目指名権3つを含むパッケージを提示

2021年11月08日(月) 10:51

ヒューストン・テキサンズのデショーン・ワトソン【AP Photo/Charles Rex Arbogast】

先週に迎えたトレード期限前に行われたヒューストン・テキサンズとの交渉で、複数のチームがテキサンズのクオーターバック(QB)デショーン・ワトソンに対してドラフト1巡目指名権3つと3巡目指名権2つを含むパッケージを提示していたことが関係者の話で明らかとなった。

ワトソンの法的状況が解決しないことで最終的な契約締結の可能性は消えてしまった。しかし、これらのオファーは次のオフシーズンにワトソンを獲得するために必要となる記録的なパッケージの相場を決定づけるかもしれない。ワトソンは性的不品行の疑惑で22件の民事訴訟を抱えつつ、ヒューストン警察とNFLによる調査を受けている。ただし、ワトソンは不正行為を否定している。

カロライナ・パンサーズとマイアミ・ドルフィンズは期限を迎えるまでの1週間でテキサンズと交渉していた。しかしながら、パンサーズのオーナーであるデビッド・テッパーは期限前に話を進めないと決めて、ドルフィンズのオーナーであるスティーブン・ロスも期限の数時間前にワトソンが民事訴訟を解決していないことを理由にテッパーの決断に追随した。フィラデルフィア・イーグルスとデンバー・ブロンコスもワトソンの適正評価を行っており、オフシーズンに契約する可能性がある。

ワトソンの契約にはノートレード条項が含まれており、現在はドルフィンズとのトレードの場合のみ、これを破棄している。

情報筋によると、テキサンズは少なくとも無条件の1巡目指名権3つに加えて、付加的な上位の指名権および/またはトップ選手を含む、5つまたは6つの資産を求め続けてきた。そして、複数のチームがワトソンの法的状況が解決されることを条件に、その価格に応じようとしていた。しかし、締め切り時刻である火曜日の米国東部時間16時を過ぎてもワトソンの民事訴訟の和解は成立せず、警察の捜査も継続されたままだった。

フリーエージェント期間の開始日にあたる2022年3月16日(水)とNFLドラフトが行われる4月28日(木)から30日(土)より前にこの状況が変わるかどうかが注目されている。

民事の面では、22件の民事訴訟での証言録取が来年2月22日(火)以降に行われ、5月には公判前会議が開かれる予定だ。一方、刑事訴訟の面ではタイムラインがはっきりとしていない。警察は10件の疑惑について調査を続けており、最終的には地方検事に調査結果を渡し、地方検事はそれを大陪審に伝えて起訴を決定する可能性が高い。また、警察の捜査が終了した時点でNFLは追加の証拠を求めて独自の調査を強化し、リーグの個人行動ポリシーに基づいて出場停止処分を科す可能性がある。

NFLコミッショナーのロジャー・グッデルは10月26日、法的手続きが展開している一方で、リーグには26歳のワトソンをコミッショナーの免除リスト(有給休暇)に載せるのに十分な情報がないと述べた。そのため、ワトソンは今のところプレーできる状態を維持している。とはいえ、ワトソンは最初の告発が公になる前の1月からトレードを要求しており、テキサンズでは二度とプレーしないと話していた。両者はキャンプ開始時に、ワトソンが施設でのトレーニングには取り組む一方、プレーはしないことで合意しており、ワトソンは引き続き1,000万ドル(約11億4,000万円)の給料を受け取っている。

【RA】