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ワクチン接種状況について誤解を生んだ発言の“責任を負う”とQBロジャース

2021年11月10日(水) 15:20


グリーンベイ・パッカーズのアーロン・ロジャース【AP Photo/Morry Gash】

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査で陽性になった後に初めてコメントしてから4日、グリーンベイ・パッカーズのクオーターバック(QB)アーロン・ロジャースが現地9日(火)に再び『The Pat McAfee Show(パット・マカフィー・ショー)』に出演した。

金曜日の発言についてよく考える時間があったと話すロジャースは、8月に自分について「免疫を獲得した」と表現したことが誤解を招くものとして受け取られる可能性はあったと認めている。リーグによる罰金が明らかになる前、ロジャースは次のように話した。

「皆が苦しんでいて、ここ2年はとてもたくさんの人たちが本当に厳しい時期を送ってきたのは分かっている。俺たち誰もが、命を落としたり、仕事や生計を失ったり、人生が様変わりしてしまったりした人を知っていると思うし、俺はこういうことに共感している。逆境のときにスポーツがいかに人々をつなぎ、まとめあげるかも分かっていて、自分が多くの人々のロールモデルになるのも理解している」

「だから、まずは人がミスリードされたと感じる可能性のあるコメントを自分がしてしまったことを認識していると示すことから始めたい。こういうコメントで誤った方向に導かれたと感じたすべての人に対して、その責任を完全に負う。具合が良くなったことにエキサイトしているし、前に進み、チームに戻って自分が一番うまくできることをする希望にワクワクしている。俺に一番うまくできるのが、フットボールをプレーすることなんだ。そこから離れてしばらく経つ。もちろん、俺はCOVIDに対処しているし、ありがたいことにもうそこを抜けたと感じている。うまくいけばこれからも楽しみにできることがあることに、感謝している」

ロジャースは金曜日のコメントに対する否定的な意見は気にしていないとも発言。ワクチンを接種しない決断を説明したコメントに対する否定的な見解は“キャンセル・カルチャー”だと述べたロジャースは、自分が“社会正義に対する意識の高い軍勢”の標的になったと話している。

「自分のアイデンティティーを見い出していて、他の意見の中には自分のアイデンティティーがないと感じるなら、そこでの承認や他者からの愛は必要ない」とロジャースは火曜日にコメントした。

「それは自分から得られるものだ。自分勝手にやるということじゃなく、無理なく健全なやり方で自分自身を愛し、尊敬し、信じる方法を学ぶというだけ。俺自身が見たり聞いたりしたコメントの一部によって、俺は確かに試された。俺も人間だ。何かが人間の心を傷つけることは確かにある」

「俺は二分化する意見を共有し、理解した。自分のステータスについては、一部の人の判断を誤らせた。そのことは完全に自分に責任がある。だが、結局のところ、自分が誰であるか、自分が何をしているのかに率直でありたいし、自分が言ったことに責任を持ちたい。このパンデミックの一番ひどかった時期を過ごした人たちに深く共感する。この時期にはさっきも言ったように、すごく多くの人たちが失われた命や永遠に変わってしまった人生に直面してきたし、さまざまなやり方で俺たち皆が影響を受けた。俺はそういう人たちに深い同情や共感を抱き、自分にできるだけ手を差し伸べようと努力してきた」

「他のことは俺の手には負えないし、自分のことや自分の発言を嫌う人、自分が言っていることを理解すらしない人、何を言ったのかも知らない人――それはただの見出しに過ぎなかったかもしれない――はいるし、そのことに問題はない。それが俺にとって不都合なことであっても、誰でも自分の意見を言う権利はあると思う。だけど、俺はこれからも最高のバージョンの自分であるよう努力し続けるつもりだし、できる限り早くフィールドに戻ろうとエキサイトしている」

パッカーズ内でのCOVID-19プロトコルの実施について調査を行ったNFLは、後にチームとロジャースを含む選手への罰金を言い渡した。

ロジャースはワクチンを接種していないため、陽性になった検査の日から10日間の隔離が必要になる。復帰は最も早くても土曜日になり、これはパッカーズがホームでシアトル・シーホークスと戦う前日にあたる。

ロジャースは今週にプレーするとの見通しを口にしつつも、プロトコルを通過できない“わずかな可能性”があるとも指摘。

「俺の知る限り10日間で、土曜日には施設に行けるし、その後でプレーすることはできるだろう」と言うロジャースは「(プレーできない)可能性はあると思う。だが、わずかな可能性だ。動きとか発汗といったクリアしなきゃならない健康面でのハードルがあると思う。自分の体、特に心臓が身体的な負荷をかけても問題ないようにしなきゃならない」と続けている。

昨年にNFLのMVPに選ばれたロジャースは、ワクチン接種状況については象徴になりたいという欲求はないとつけ加え、次のように話した。

「俺はアスリートであって、活動家じゃない。だから、自分が一番うまくやれることに戻るし、それはフットボールをプレーすること。俺は自分の意見を表明した。それは深い考えなしで出たものじゃない。たくさんの学習や、自分の体にとって一番いいと感じたことから来ている。でも、さらなるコメントについては、自分自身と医師たちの間にとどめておく。こういうことについては、このインタビューを最後にこれ以上コメントしない」

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